造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
カツラとは
植物名 カツラ
学 名 Cercidiphyllum japonicum
和 名 桂
別 名 抹香木(マッコウノキ)/ 醤油の木(ショウユノキ)
英 名 Katsura tree
科 名 カツラ科
属 名 カツラ属
カツラの特徴
カツラは樹高30m、幹径2m程になるカツラ科の落葉高木です。ハート形の葉っぱと秋の香りが特徴の樹木です。
カツラの樹皮は浅く縦に割れます。幹は株立ちするものが多く、長枝と短枝があります。
カツラの花は雌雄異株で、葉が展開する前の3月〜5月頃に開花します。雄花・雌花とも短枝に付き、花弁も萼もなく、雄花は紅紫色の雄しべが十数本垂れ下がり、雌花には淡い紅色の細長い角のような雌しべが3~5個突き出します。
カツラの葉は対生して、長さ3cm〜8cm程のハート形で、掌状の脈と鈍い鋸歯(きょし)があり、明るい緑色で裏面は粉白色を帯びます。秋に黄葉して、落葉すると甘い香りがします。
カツラの果実は袋果で、小さなバナナのような形をして、熟すと先端が開き、種子が飛び出します。種子には片側に翼があり、種子が飛び出しても殻は枝に残ります。
カツラの名前
カツラは秋に落葉すると強い香りがあり、離れた場所でもカツラの木があることがわかる程です。その香りはキャラメルのような、醤油のような甘い香りがすることから「抹香木(マッコウノキ)」や「醤油の木(ショウユノキ)」などの別名があります。
中国ではモクセイのことを「桂花」と呼びますが、これは「桂」という字が「香りの高い木」という意味を持つためです。
カツラの材はクリーム色が基本ですが、赤味がかったものを「ヒガツラ(緋桂)」、色が淡いものを「アオガツラ(青桂)」と呼んで区別することもあります。
また、桂皮(シナモン)は、同じ「桂」の字を使いますが、原料はクスノキ科の「ニッケイ(肉桂)」という全く別の植物の樹皮を使っています。
カツラの利用
カツラはまっすぐに育ち、枝が細いため、丈が長くて節の少ない良質な材が確保でき、柔らかくて加工しやすいため、古くから造船や仏像に使われたり、現代でも建材、家具材、碁盤、将棋盤、漆器木地、楽器などに使われています。
また、香りの良いカツラの葉を乾燥させて、粉末状にしたもので抹香を作ります。
カツラと似ている木
カツラは花よりも、香りや紅葉した姿、特徴的なハート形の葉に観賞価値がありますが、同じようなハート形の葉を持つ樹木に「ハナズオウ(花蘇芳)」や「マルバノキ(丸葉の木)」、「ライラック」などがあります。
天然記念物のカツラ
日本国内には樹齢数百年以上の天然記念物に指定されているカツラがたくさんあり、その一部をご紹介します。
国指定の天然記念物
- 岩手県盛岡市の「瀧源寺のシダレカツラ」
- 福島県郡山市の「赤津のカツラ」
- 兵庫県朝来市の「糸井の大カツラ」
- 島根県雲南市の「海潮のカツラ」
- 島根県仁多郡奥出雲町の「竹崎のカツラ」
- 福岡県飯塚市の「鎮西村のカツラ」
- 佐賀県佐賀市の「下合瀬の大カツラ」
県指定の天然記念物
- 宮城県気仙沼市の「久保のカツラ」
- 山形県東根市の「大滝のカツラ」
- 山形県北村山郡大石田町の「向川寺の大カツラ」
- 栃木県鹿沼市の「加蘇山の千本カツラ」
- 新潟県南魚沼市の「薬照寺の大カツラ」
- 富山県富山市の「今山田の大かつら」
- 福井県大野市の「白山神社のカツラ」
- 岐阜県飛騨市の「洞のカツラ」
- 岐阜県高山市の「大古井の千本桂」
- 愛知県豊田市の「大野瀬の子持カツラ」
- 兵庫県美方郡香美町の「和池の大カツラ」
- 鳥取県鳥取市の「落河内のカツラ」
- 岡山県高梁市の「穴門山神社のカツラ」
- 愛媛県四国中央市の「玉取山の大カツラ」
カツラの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 落葉高木 |
開花時期 | 3月〜5月 |
花色 | 紅色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
カツラの詳しい育て方
カツラは日本、中国の原産で、国内では北海道、本州、四国、九州の山地に広く分布していて、街路樹や公園樹として植栽され、各自治体の木にも指定されています。
カツラの植え付け
植え付けの適期は落葉期の11月〜翌2月頃です。日当たりの良い場所から明るい日陰でも育ちます。夏の強い日差しで葉焼けすることがありますが、枯れることはありません。
用土はあまり選びませんが、肥沃な土を好みますので、庭土に腐葉土や堆肥を混ぜたものが良いでしょう。成長すると大きくなるので、庭植えの場合は、広めのスペースに植え付けましょう。
カツラの水やり・肥料
植え付けてから2年未満の株は、土が乾いたらたっぷり水やりをしましょう。2年以上経つ株は降雨で問題ありませんが、夏の乾燥する時期は水やりをしましょう。
肥料は、1月〜2月頃に寒肥として有機質肥料を株元の周辺に埋めてあげましょう。
カツラの害虫・病気
害虫はテッポウムシが発生することがあります。幹や枝を食害しますので、見つけたら取り除き、薬剤を散布して防除しましょう。
カツラは病気の心配は特にありません。
カツラの剪定
剪定の適期は落葉期の12月〜翌2月頃です。カツラは自然樹形が美しいので、枯れた枝や重なって混みあっている枝などを間引く程度でも大丈夫ですが、芽吹く力が強く、枝分かれするのでスペースの関係上、小さくしたい場合は枝を切り詰めましょう。
枝を切る際は、必ず枝分かれしている付け根の部分で切りましょう。中途半端な長さに枝を残すと、そこから芽を吹いて葉が茂り、自然樹形が大きく崩れてしまいす。
また、太めの枝を切った場合は雑菌が入らない様に切り口に「癒合剤(ゆごうざい)」を塗りましょう。
カツラの誕生木・花言葉
カツラは「11月7日」の誕生木です。
シダレカツラは「2月17日」の誕生木です。
カツラの花言葉は「不忠」「不変」「憂鬱」「夢想家」です。
カツラのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
- 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。
グリーンピースのアーティフィシャルグリーンは、日本の職人が国内で作る業界最高のクオリティです。近くで見ても本物と見間違うほどの圧倒的クオリティで、景観や観賞価値を損ないません。
お好みの樹木をお好みの大きさにオーダーメイドも可能で、天然木を使ったMADE IN JAPANのアーティフィシャルグリーンは個人のご自宅をはじめ、さまざまな商業施設や有名施設でも採用され、多くの方に楽しまれています。実際の施工例などもご紹介しておりますので、ぜひ下のページも御覧ください。
カツラのまとめ
カツラは雄大な樹形が美しく、ハート形の葉っぱが黄葉して、落葉するときの甘い香りが特徴の樹木です。
育てるのは難しくないので、シンボルツリーなど、みなさんも是非カツラを育ててみてはいかがでしょう!