造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
キヌガサソウとは
植物名 キヌガサソウ
学 名 Paris japonica
和 名 衣笠草
別 名 花笠草(ハナガサソウ)
英 名 Kinugasa japonica
科 名 シュロソウ科
属 名 キヌガサソウ属
キヌガサソウの特徴
キヌガサソウは草丈30cm〜80cm程になるシュロソウ科の多年草です。日本では6月〜8月頃に開花します。
キヌガサソウは太い根茎を持ち、地上には茎が1本立ち上がります。
キヌガサソウの葉は茎の頂に8枚〜10枚の葉を輪生させます。葉は長さ20cm〜30cm程の先端だけ少し尖った倒卵状披針形で、表面には光沢があります。
キヌガサソウの花は、笠のように広がった葉の中心から長さ3cm〜5cm程の花柄を伸ばし、径5cm〜8cm程の花を1個付けます。花弁に見えるのは外花被片(萼片)は6〜11個あり、初めは白色ですが、次第に淡紅色〜薄緑色に変化します。内花被片は外花被片と同数で、白色の長さ10mm〜15mm程の糸状で目立ちません。
雄しべは15〜20個で2列に並び、内花被片とほぼ同じ長さで、葯は黄色の線形で長さ5mm〜8mm程になり、花糸とほぼ同じ長さです。花柱は8〜10個で外側に反曲します。
キヌガサソウの果実は液果で、径2cm〜3cm程の球形となり、黒紫色に熟して、甘味と芳香があり食べられます。
キヌガサソウの名前
キヌガサソウという名前は、傘状に広がる輪生した葉の様子を奈良時代の高貴な人にさしかけた衣笠に見立てたことに由来します。
キヌガサソウの詳細情報
園芸分類 | 草花 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 6月〜8月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
耐陰性 | 普通 |
キヌガサソウの詳しい育て方
キヌガサソウは日本原産の固有種で、本州の中部地方以北の日本海側に分布しています。主に亜高山~高山の湿った草地や、明るい林床に自生しています。地域によっては絶滅危惧種に指定されています。
キヌガサソウの植え付け
植え付けは2月〜3月頃が適期です。春に芽が出て、花が咲くまでの間はよく日の当たる場所に置きましょう。その後は直射日光を避けて、明るい日陰に置きましょう。また、夏は涼しい場所が適しています。用土は山野草の土を使って植え付けたら、たっぷり水やりをしましょう。
キヌガサソウの水やり・肥料
土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりをしましょう。特に夏場は水切れに気をつけましょう。夏以降に葉が枯れてきたら、多湿にならないように控えめに水やりをしましょう。
キヌガサソウは肥料を好み、肥料不足の株は成長や開花に影響します。芽出しの頃から葉が元気な生育期間中は液体肥料を2週間に1回程度与えましょう。
キヌガサソウの害虫や病気
害虫はハダニ、アブラムシなどが発生することがあります。春に新芽や蕾についたり、気温が高くて乾燥する時期に発生するため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
キヌガサソウは病気の心配は特にありません。
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キヌガサソウのまとめ
キヌガサソウは、傘のように輪生した葉の上に白い花を咲かせます。花のように見える外花被片の数や花色に変化があり、個体によって花の印象が異なります。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非キヌガサソウを育ててみてはいかがでしょう!