コブシ(辛夷)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

コブシの花

こちらでは、コブシ(辛夷)の植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
 あっちゃん
 あっちゃん
 
 

この記事の監修者

造園職人あっちゃんプロフィール

コブシとは

コブシの木

 

植物名   コブシ


学 名   Magnolia kobus


和 名   辛夷


別 名   下に記載


英 名   Kobushi magnolia


科 名   モクレン科


属 名   モクレン属


 

アーティフィシャルグリーン【グリーンピース】

 

コブシの特徴

コブシの開花

 

コブシは樹高5m〜20m程になるモクレン科の落葉高木です。日本では3月〜4月頃に開花します。

コブシの樹皮は灰白色で、平滑ですが皮目があり、樹齢を重ねると浅く裂けます。一年枝は紫緑色で、枝を一周する托葉痕が目立ちます。

コブシの花は葉が展開する前に、小枝の先に径5cm〜10cm程の白い花が1輪ずつ咲きます。花被片はふつう9枚で3枚ずつ3輪に付き、外側の3枚は小さく、内側の6枚は花弁状で、白色で基部はしばしば淡紅色を帯びます。開花後、数日程で花被片は落ちます。中央には多数の雄しべと雌しべが螺旋状に並びます。また、花には香りがあり、基部には小型の葉が1枚付きます。

コブシの葉は互生し、長さ5cm〜15cm程の先端が突出した倒卵形になります。表面は緑色で無毛で、裏面は淡緑色で葉脈上に毛があります。葉縁は全縁でやや波状になります。葉には精油が含まれ、揉んだり枝を燃やすと芳香を生じます。また、秋には黄色く黄葉します。

コブシの果実は、やや扁平な球形の袋果となり、数個から十数個の袋果が癒合して、長さ5cm〜15cm程の所々にこぶが隆起した不整な長楕円形の集合果を形成します。10月頃に熟すと自然に裂けて、赤色の種子が白い糸を引いて垂れ下がります。

 

コブシの名前

コブシという名前は、果実を握り拳に見立てたとする説や、蕾を握り拳に見立てたとする説があります。漢字では「辛夷」を充てますが、中国での「辛夷(しんい)」とは「モクレン(木蓮)」のことを指し、その蕾を乾燥させた生薬を意味します。「ヤマモクレン」という別名もあります。

コブシの果実(種子)に辛みがあるため「ヤマアララギ」や「コブシハジカミ」とも呼ばれています。アララギとは「イチイ(一位)」のことで、ハジカミとは「サンショウ(山椒)」のことです。

コブシの開花を農作業の準備の目安に使ったことから「田打桜」「田植桜」「苗代桜」「種まき桜」「芋植え花」など様々な地方名があります。北海道の松前地方では、遠見だと「サクラ(桜)」に似ていて、花期がサクラより早いことから「ヒキザクラ」「ヤチザクラ」「シキザクラ」などとも呼ばれています。

 
 

コブシと似ている樹木

コブシと似ている近縁種に「シデコブシ」があります。こちらは小型で一年枝に毛が密にあり、葉の先端は突出せず、花弁はふつう12〜20枚程と多い点が異なります。本種と種間交雑が起こることもあり、園芸においても交雑に由来する様々な園芸品種が作出されています。

ほかにも、似ている近縁種に「タムシバ(田虫葉)」があります。こちらは葉が細長く葉裏が白色を帯びる点、葉芽の鱗片が無毛である点、花の基部に葉が付かない点、萼片が比較的大きく(花弁長の1/3から1/2)無毛である点などで見分けることができます。本種と種間交雑したものは「シバコブシ」と呼ばれ、これに由来する園芸品種もあります。

 
 

コブシの利用

コブシやタムシバ、モクレン、「ハクモクレン(白木蓮)」の花の蕾を風通しのよい場所または天日で乾かしたものは「辛夷(しんい)」と呼ばれる生薬となり、鼻炎、蓄膿症、頭痛、めまいに効能があるとされています。

コブシの花は砂糖漬けにしたり、薄く衣をつけて天ぷらにして食べられています。赤い種子を集めて焼酎などに漬けておくと、一風変わった香りの果実酒を作ることができます。

コブシの材は硬めで加工しにくい木材ですが、家具や器具、細工物に用いられています。建材としては、樹皮を付けたままの皮付き材が茶室の柱や天井の回り縁などに用いられ、色や質感が好まれています。また、炭は金属研磨用に使われることがあります。

 

コブシの詳細情報

園芸分類庭木
性質落葉高木
開花時期3月〜4月
花色白色
栽培難易度
耐寒性強い
耐暑性強い
耐陰性普通
 
 

コブシの詳しい育て方

コブシの果実

コブシは日本の原産で、北海道、本州、四国、九州に分布しています。主に丘陵帯から山地帯のやや湿った場所に自生し、早春に白い花を咲かせて、春の訪れを告げる代表的な里山の花木ですが、葉が大きくて木陰を作りやすいことから街路樹や公園樹、庭木などに植栽されています。

 

コブシの苗植え

苗植えの適期は落葉期の1月〜3月頃です。半日陰でも育ちますが、日当たりで育てた方が健康で開花も多くなります。また、コブシは根が荒いため、一度根を張ると植え替えは難しいため、植える場所をよく考えて決めましょう。植え付ける際は、根鉢を崩さないように、根が広がるために邪魔になる大きな石があれば取り除いて、掘り出した土に腐葉土や堆肥を混ぜ合わせて、根を傷つけないように植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。

 

コブシの水やり・肥料

植え付けてから1年程は、土が乾いたら水やりをしましょう。根付いてしまえば降雨だけで問題ありませんが、夏場の暑い時期に土が乾燥するようであれば、たっぷりと水やりをしましょう。

肥料は2月頃に寒肥として、油かすを与えましょう。

 

コブシの害虫・病気

害虫はカイガラムシ、カミキリムシが発生することがあります。食害されると観賞価値が下がったり、株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤を散布して防除しましょう。

コブシは病気の心配は特にありません。

 

コブシの剪定

コブシは自然と樹形が整う樹木なので、あまり剪定を必要としません。また、コブシは花後に翌年の花芽ができるため、夏以降に剪定をすると花芽を落としていまいます。剪定は花後の4月〜5月頃が適期です。

ヤゴが出たら適宣落とし、剪定をする際は、枯れ枝や徒長枝、混み合っている枝を根本から切り落としましょう。枝を切ったら切り口に癒合剤を塗布しましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

コブシの誕生木・誕生花・花言葉

コブシの花の果実

 

コブシは「3月19日」の誕生木です。

コブシは「3月8日」「3月24日」の誕生花です。

コブシの花言葉は「友情」「歓迎」「信頼」「愛らしさ」などがあります。

 

コブシのアーティフィシャルグリーン

コブシの葉
 
みなさん、アーティフィシャルグリーンをご存知でしょうか?
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
 あっちゃん
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本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。

こんなメリットが!

  • 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
  • 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
  • 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
  • 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
  • 光触媒加工を施すと、目に見えないウイルス・雑菌・悪臭・カビ菌などを分解して、空間をキレイにする効果もあります。
 

ホームセンターなどで販売している造花やアーティフィシャルは、どうしても偽物とわかってしまい、観賞価値がありません。

 
これはもう本物です!

グリーンピースのアーティフィシャルグリーンは、日本の職人が国内で作る業界最高のクオリティです。近くで見ても本物と見間違うほどの圧倒的クオリティで、景観や観賞価値を損ないません。

 

お好みの樹木をお好みの大きさにオーダーメイドも可能で、天然木を使ったMADE IN JAPANのアーティフィシャルグリーンは個人のご自宅をはじめ、さまざまな商業施設や有名施設でも採用され、多くの方に楽しまれています。実際の施工例などもご紹介しておりますので、ぜひ下のページも御覧ください。

 
 

コブシのまとめ

コブシの花

コブシはいかがでしたか?
コブシは早春に樹木全体に真っ白で綺麗な花を咲かせます。園芸品種もあり、葉が大きくて木陰を作りやすいことから街路樹や公園樹、庭木などに植栽されています
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非コブシを育ててみてはいかがでしょう!
 あっちゃん
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