造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ナスとは
植物名 ナス
学 名 Solanum melongena
和 名 茄子
別 名 奈須比(なすび)
英 名 Eggplant
科 名 ナス科
属 名 ナス属
ナスの特徴
ナスは草丈1m程になるナス科の一年草です。日本の家庭でよく食べられている野菜の一種です。
ナスの花は6月〜10月頃に開花します。淡紫色の花は葉腋に単生又は数個を下向きに付け、花冠は径3cm程で花弁は5〜8つに裂けます。
ナスの葉は互生する単葉で、長さ15cm〜40cm程になる楕円形で、長い柄があり星状毛が生えます。紫を帯びた葉もあります。
ナスの果実は球形や卵形、長卵形など、栽培品種によりさまざまで、萼片にはトゲがあります。果皮は一般的に光沢のある黒紫色ですが、他にも白色や黄色、緑色、縞模様になる品種もあります。
ナスの美味しい食べ方
ナスは果肉の殆どが水分と糖分で出来ているナスは「栄養価の低い野菜」と思われていますが、それは誤りです。ナスはビタミンやミネラル、食物繊維などバランスよく含んでおり、ポリフェノール含有量も豊富で栄養のある野菜です。
ナスは皮と共に実を食用とします。果肉は薄黄色で柔らかく密度が低いスポンジ状で、味は無くややアクがあります。用途は煮物や天麩羅、揚げ物、炒め物、焼き物、漬物など幅広く、大変便利な食材です。
ナスのいろいろな形
一般に流通している品種は中長品種が多いですが、ナスは品種がたくさんあり、産地によってもさまざまで、その土地ならではの伝統品種もあり、その一部をご紹介します。
小丸ナス
重さ10~20gの小形のナスで、皮が柔らかく、種子が少ないのが特徴で、漬けものや煮ものに向いています。京都府の「椀ぎ(もぎ)」、山形県の「民田(みんでん)」などがあります。
丸ナス
扁球形の果実は、皮が硬めで果肉が緻密なのが特徴です。煮崩れしにくく、田楽(でんがく)や煮ものに向いています。京都府の「賀茂ナス」、新潟県の「巾着ナス」などがあります。
卵形ナス
艶のある濃い紫色で「真黒(しんくろ)」という品種が代表種として、関東を中心にかつて最も多く出回っていましたが、現在は流通していません。
中長ナス
長さ12cm~15cm程で、国内で流通量が最も多い品種です。皮や果肉が柔らかく、調理法を選ばずいろいろな料理に使えます。
長ナス
長さ20cm~30cm程で、水分が多く果肉が柔らかいのが特徴です。主に西日本や東北で作られ、秋田県の「河辺長(かわべなが)」、大阪府の「大阪長(おおさかなが)」などがあります。
大長ナス
長さ40cm~45cm程で、乾燥に強く皮がやや硬めで、果肉が柔らかく焼きなすや煮ものに向いています。福岡県の「久留米長(くるめなが)」、「博多長(はかたなが)」などがあります。
米ナス
アメリカの品種「ブラックビューティー」を日本で改良した大型種で、ヘタが緑色なのが特徴です。果肉は締まっていて、焼き物・炒め物・煮物などの加熱調理に向いています。
ナスの文化
ナスは初夢に見ると特に縁起が良いとされ「一富士 二鷹 三茄子(いちふじ にたか さんなすび)」ということわざがあります。ことわざの由来は、徳川家康の好物を並べたとする説や、富士は「不死」、鷹は「高・貴(たか)」、茄子は「成す」を表したとする説など諸説あります。
お盆の風習のひとつにナスや「キュウリ(胡瓜)」を動物に見立てて、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬(しょうりょううま)」を飾る風習があります。
ナスが用いられた言い習わしに「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉があります。これは、「嫁を憎む姑の心境」を示しているという説や、「嫁の体を案じた言葉」という説、「秋ナスは子孫が絶えると連想した」という説など、諸説あります。
ナスの果実、茎、へた、根、花などは、打ち身や捻挫、やけど、二日酔いなどに効果があると言われ、民間療法に用いられます。果実は「茄子(かし)」、へたは「茄蔕(かてい)」と称して生薬に用いられています。
ナスのコンパニオンプランツ
ナスと一緒に作物などを植えることで、害虫被害を減らしたり、風味を増したりといった良い効果を生み出すコンパニオンプランツとしても利用されています。
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ナスの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
性質 | 一年草 |
開花時期 | 6月〜10月 |
花色 | 淡紫色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
ナスの詳しい育て方
ナスはインド原産で、世界中の広い地域で食用として栽培されています。主に温帯地域では一年草ですが、熱帯地域では多年草になります。
ナスの品種は世界中に1000種類以上あると言われています。日本では1000年以上に渡り栽培されていて、日本でも100種類以上の品種があります。国内では高知県や熊本県で栽培が盛んに行われ、一年を通して流通していますが、夏野菜として7月〜9月頃が旬になります。
ナスの苗植え
苗植えの適期は5月上旬です。鉢植えでも庭植えでも育てることができます。日当たりが良く風通しの良い場所を好みます。苗は乾燥に弱いため、プランター栽培の用土は「野菜の培養土」が最適です。育成の適温は22℃〜28℃です。
畑栽培の用土は、定植2週間前に苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前に堆肥と元肥を施して再度耕しましょう。定植する際、高畝にして浅めに植付け、水はけをよくしましょう。
植え付ける前に、ポットを水に浸け吸水させておき、根鉢を崩さないように植え付けましょう。植え付ける株と株との間隔が狭いと日光が十分に当たらず、実が付きづらくなるので、ある程度間隔を空けて植え付け、たっぷり水やりをしましょう。
プランターで育てる場合は、60cmプランターに2株が目安です。また、ナスの苗は茎が細く倒れやすいため、支柱を立てて支えてあげましょう。
ナスの水やり・肥料
ナスは乾燥に弱く、水分をたくさん必要とします。土の表面が乾いたら、プランターから水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。特に夏場の暑い時期は毎日水やりをしましょう。
また、畑で栽培する場合は、土の乾燥を防ぎ、泥はねなどから病害虫を防ぐため、株元や畝の肩に稲わらやビニールなどを敷いてマルチングしましょう。
次々と実を付けるナスは、肥料をたくさん必要とします。栽培期間は肥料切れを起こさせないように、定期的に追肥します。肥料は野菜・果物用のものがオススメです。
ナスの整枝・支柱立て
整枝は一番花の下から勢いよく出た側枝を2本残し、主枝1本との3本仕立てにします。それ以外の脇芽は摘み取りましょう。
支柱は、真ん中に1本、側枝用に2本を斜めに交差させて支柱を立て、主枝と側枝それぞれを支柱に固定し誘導しましょう。
ナスの摘果・下葉かき
一番果が実る頃は、まだ株が十分育っていないので、一番果は大きくなる前に早めに収穫して株の成長を促進しましょう。
夏の高温期に入ったら、混み合っている枝を取り除きましょう。また、古くなった葉や枯れた葉もこまめに取り除き、風通しを良くすることで病気の予防にもなり、実付きが良くなります。
ナスの収穫
ナスは開花から20日〜25日が収穫時期になり、秋頃まで収穫できます。収穫する時はヘタをハサミで切って収穫しましょう。この時枝が折れやすいので注意してください。
早朝に収穫すると日持ちが良くなり、収穫したら新聞紙などに包み日陰で保存しましょう。また、収穫と一緒に脇芽を摘み取りましょう。株が疲れて元気がない時は、実を全て取ってあげると、また元気になります。
ナスの更新剪定・根切り
夏の時期にたくさん実を付けたナスは、実の質が落ちてきたり、株が弱って収穫量が減ってきます。秋ナスを収穫するためにも更新剪定と根切りをしましょう。適期は7月下旬〜8月上旬です。
剪定方法は、全ての枝を1/3〜1/2程切り詰めます。この時元気な脇芽が出ているところで切り戻しましょう。
剪定と一緒に根切りも行います。畝の根元から30cm程離れたところにスコップを入れ、土の中の根を切ります。プランター栽培の場合は、根元から遠いところにスコップを入れ、根を切りましょう。スコップを入れたところに追肥を施し、水やりをしましょう。
ナスの害虫や病気
害虫はテントウムシダマシ、カメムシ、ハダニ、オオタバコガなどさまざまな害虫が発生します。害虫は葉や蕾、果実を食害したり吸汁して株を弱らせます。見つけたらすぐに取り除き、薬剤を散布して駆除しましょう。
病気はうどんこ病や青枯病、モザイク病があります。うどんこ病は、葉の表面に白いうどん粉状のカビが発生します。このカビは近くの葉に感染しますので、見つけたら早めに取り除き、殺菌剤などで防除しましょう。
ナスの誕生花・花言葉
ナスは「7月20日」の誕生花です。
ナスの花言葉は「優美」「希望」「よい語らい」「真実」「つつましい幸福」などがあります。
お花のある生活
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ナスのまとめ
ナスは家庭でよく食べられる野菜の一つとして親しまれ、プランターでも育てられる野菜として人気があります。
慣れてしまえば育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ナスを育ててみてはいかがでしょう!