造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
ネジバナとは
植物名 ネジバナ
学 名 Spiranthes sinensis
和 名 捩花
別 名 綟摺（モジズリ）
英 名 Lady’s tresses
科 名 ラン科
属 名 ネジバナ属
ネジバナの特徴
ネジバナは草丈が10cm〜40cm程になるラン科の多年草です。日当たりの良い湿った草地に繁殖します。
ネジバナの花は、4月〜8月頃が開花期と長く、茎の上部に長さ5mm程の小さい花を茎の周りに螺旋状に付けます。花序の先には毛があり、花は桃紅色で、唇弁は白色で縁に鋸歯（きょし）があり、花被は集合して筒状になります。
ネジバナの花の螺旋は、右回りと左回りの両方があり、その比率は地域によって異なります。また、ごく稀に真っ白な花を付ける「シロネジバナ」や、花序に毛がない、奄美大島以南に分布する「ナンゴクネジバナ」もあります。
ネジバナの葉は大部分が根出葉で、厚みがあり柔らかく長さ5cm～20cm程の広線形ですが、茎につく鱗片葉もあります。
ネジバナの果実は球形の蒴果で、径6mm程になり夏から秋頃に黄褐色に熟すと、果皮が弾けて種子が飛び出します。
ネジバナの詳細情報
| 園芸分類 | 草花・ラン |
| 性質 | 多年草 |
| 開花時期 | 7月〜8月 |
| 花色 | 桃紅色・白色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 普通 |
| 耐暑性 | 普通 |
| 耐陰性 | 普通 |
ネジバナの詳しい育て方
ネジバナは温帯・熱帯アジアの原産で、日本では北海道、本州、四国、九州、沖縄県まで全国に分布している最も身近なラン科植物です。どこにでもある雑草として扱われますが、その独特なねじれた花は山野草愛好家の間で人気の植物でもあります。
ネジバナの苗植え
苗の植え付けは3月と9月〜10月頃が適期です。日当たりがよく風通しの良い場所が好みです。用土は市販の山野草の土を使いましょう。
花と野菜の培養土を使って植え付けても育ちますが、元肥が多すぎるので山野草の土がオススメです。また、植え付ける際に根鉢を傷つけると枯れてしまうので、根鉢は崩さないように注意しましょう。
ネジバナの水やり・肥料
ネジバナは乾燥に弱いので、土が乾いたら水を与えましょう。夏の乾燥しているときはこまめに水を与え、冬も水切れしないように管理しましょう。
肥料は特に必要ありません。
ネジバナの害虫や病気
害虫はアブラムシやナメクジが発生することがあります。春頃に多く発生する害虫で、新芽や茎、葉から吸汁して株を弱らせます。見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
ネジバナは病気の心配は特にありません。
ネジバナの増やし方
ネジバナは株分けをして増やしたり、種子をまく事で増やすこともできます。株分けは春に掘り起こして、数本を１組として株分けすれば出来ます。
普通は株分けすると、親株と同じ性質のもの（クローン）が増えるのですが、ネジバナは株分けしたものが全く葉っぱの形が違ったり、形質を維持できないという特徴があります。
ネジバナの種の採取は、花が咲いた後に、花が萎むと茶色い果実ができて、この中に非常に細かい種子ができます。種子ができるのは開花して３週間〜４週間後です。
結実から種子が熟して採取する時期までが短く、気づくと既に弾けていることが多く、採集できずに種子が飛び散ってしまいます。そのため、花が萎んだら紙袋などを被せて、種子がこぼれないようにして、全体の色が茶色くなったら取り出しましょう。
・ネジバナは、種子をポットや鉢にまいて育てようとしてもほとんど育ちませんが、何かの植物の鉢に紛れ込んだり、他の植物が植えられている鉢の隅にまいてあげるとよく発芽します。
ネジバナの誕生花・花言葉
ネジバナは「7月4日」の誕生花です。
ネジバナの花言葉は「思慕」です。
「思慕」という花言葉は、「芝付（しばつき）の御宇良崎（みうらさき）なる根都古草（ねつこぐさ）逢ひ見ずあらば吾（あれ）恋ひめやも」という万葉集の歌が由来と言われ、この中の「ねつこ草」はネジバナを指していると言われています。
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ネジバナのまとめ
ネジバナは名前の通り、螺旋状にねじれた独特な花が可愛く、雑草として扱われますが、野生の小型ラン科植物として愛好家もたくさんいます。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ネジバナを育ててみてはいかがでしょう！