造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
センブリとは
植物名 センブリ
学 名 Swertia japonica (Schult.) Makino
和 名 千振
別 名 下に記載
英 名 Swertia japonica
科 名 リンドウ科
属 名 センブリ属
センブリの特徴
センブリは草丈5cm〜20cm程になるリンドウ科の二年草です。日本では8月〜11月頃に開花します。
センブリは茎が立ち上がるか、枝分かれして、稜があって角張り、紫色を帯びています。
センブリの花は、茎先に円錐花序をつくり、上向きに5弁の白い花を咲かせます。花は径2cm〜3cm程で、花冠は深く5裂して、縦に淡紫色の脈が数本入ります。内面の基部に蜜腺溝があり、2個の蜜腺の周囲には細い長毛が生えます。
センブリの葉は根出葉と茎葉があり、根出葉は開花期にも少数が残ります。茎葉は対生する単葉で、長さ1cm〜3cm程の線形となります。
センブリの果実は蒴果で、花冠より少し長く、種子はやや丸い形をしています。
センブリの名前
センブリという名前は、全草が非常に苦く、本種を煎じて「千回振出してもまだ苦い」ということから名付けられました。本種は非常に苦味が強く、最も苦い生薬（ハーブ）と言われ、「トウヤク（当薬）」や、「イシャダオシ（医者倒し）」などの別名もあります。
センブリの利用
センブリは苦味胃腸薬として使われ、昔から身近な民間薬の一つとして知られています。薬には開花期の全草が用いられ、秋に開花している全草を刈り取って天日乾燥したものが「当薬（とうやく）」という生薬になります。
効能は、苦味健胃、胃腸虚弱、消化不良、胃痛、下痢、腹痛、食欲不振があり、抜け毛、ふけ性発毛などにも効果があるとされ、市販の養毛液や、マスカラ、眉墨などの化粧品にも配合されているほか、センブリ茶なども販売されていて、体に良いのですがとても苦いため「罰ゲーム」などに用いられることもあります。
センブリの詳細情報
| 園芸分類 | 草花 |
| 性質 | 二年草 |
| 開花時期 | 8月〜11月 |
| 花色 | 白色 |
| 栽培難易度 | |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 普通 |
| 耐陰性 | 弱い |
センブリの詳しい育て方
センブリは日本、中国、朝鮮半島の原産で、国内では関東地方以西の本州、四国、九州に分布しています。主に丘陵地やマツ林などに多く、日当たりが良く、やや湿り気のある山野の草地に自生しています。また、地域によっては採集などにより個体数が減少し、絶滅危惧種に指定されています。
センブリの苗植え
センブリは、幼苗の期間が長く、この時期は徐々に日光に慣らして半日陰で管理し、高温や直射日光に注意しましょう。また、強い雨に当たると傷むため、雨に当てないようにして、急な温度変化や乾燥、多湿、害虫などにも注意し、きめ細やかな管理を必要とします。
苗の植え付けは、3月〜4月が適期です。環境変化に弱い性質がありますが、基本的には日当たりが良い場所を好みます。ただし、真夏の直射日光や乾燥には弱いので注意しましょう。用土は山野草の培養土を使い、根鉢は崩さず、根を傷めないように植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。
センブリの水やり・肥料
センブリは乾燥と多湿に注意して管理しましょう。基本的には土が乾燥する前に水やりをしましょう。腰水栽培も可能ですが、水温や水質には気をつけましょう。
センブリは肥料をあまり必要とせず、多肥は根腐れの原因となりますが、生育促進のため、3月〜4月頃と9月〜10月頃に、月2回程度、液体肥料を与えましょう。
センブリの害虫や病気
害虫は、アブラムシが発生することがあります。害虫に食害されると株が弱ったり、景観が悪くなりますので、こまめにチェックし、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
センブリは病気の心配は特にありません。
センブリの誕生花・花言葉
センブリは「8月3日」「10月8日」の誕生花です。
センブリの花言葉は「安らぎ」「義侠の愛」「はつらつとした美しさ」などがあります。
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センブリのまとめ
センブリは、夏から秋にかけて白い花を咲かせる山野草で、名前の由来にもなっているほど苦いことで知られ、昔から薬草としても利用されています。
育てるのはコツが必要ですが、みなさんも是非センブリを育ててみてはいかがでしょう！