造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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コリアンダーとは
植物名 コリアンダー
学 名 Coriandrum sativum
和 名 胡荽(コスイ)/ コエンドロ
別 名 パクチー / カメムシソウ
英 名 Coriander
科 名 セリ科
属 名 コエンドロ属
コリアンダーの特徴
コリアンダーは草丈20cm〜60cm程になるセリ科の一年草です。独特の味と香りが特徴のハーブの一種です。
コリアンダーは5月〜6月頃に花を咲かせます。茎先に複散形花序を伸ばし、白色の5花弁を複数付けます。花は淡い紫色を帯びることもあり、花序の外側の花弁が大きく発達します。
コリアンダーの葉は互生し、根出葉と茎の下部の葉は羽状に裂け、小葉は広卵形になり、縁に鋸歯(きょし)があります。茎の上部に出る葉は裂片が線形になり鋸歯(きょし)はありません。
コリアンダーの果実は、径3mm〜5mm程のほぼ球形の分果です。
コリアンダーの利用
コリアンダーは料理だけでなく、薬にも用いられている重要なハーブとして知られ、世界中の様々な地域で使われています。コリアンダーは種・葉・茎・根の全草が利用され、新鮮な葉と乾燥した種子が料理で最も伝統的に使われる部分になります。
コリアンダーの食用
コリアンダーは全ての部分を食すことができます。コリアンダーには消化を促す作用があると言われ、葉・茎・根・未熟果には特有のクセのある強い香りがあり、熟した果実には柑橘類のような甘いスパイシーな香りがあります。
料理に使われる際は、開花前の若い葉が美味しいと言われ、葉が持っている独特の香気を活かすためには、調理の最後に加えます。また、茎や根は煮込み料理などに使われます。
主に、タイ料理、中華料理、インド料理、ベトナム料理、メキシコ料理、ポルトガル料理などに用いられます。日本料理にはあまり用いられませんが、海外のエスニック料理に使う食材として、日本のスーパーマーケットなどでも流通していて、入手しやすくなっています。
コリアンダーの葉
コリアンダーの葉は主に薬味として利用されます。この葉には独特の風味があり、人によって好き嫌いが大きく分かれます。
コリアンダーの生の葉には、β-カロテンやビタミンB1、B2、C、E、K、食物繊維や、カルシウム、カリウムといった栄養素が豊富に含まれています。
コリアンダーはさまざまな地域で葉の香りを生かした料理に用いられ、中国では「香菜(シアンツァイ)」、タイでは「パクチー」、ベトナムでは「ザウムイ」、インドでは「ダニヤー」、中南米では「シラントロ」、ポルトガルでは「コエントロ」と呼ばれています。
日本では、コリアンダーの和名として「胡荽(コスイ)」や「コエンドロ」という名前がありますが、果実や葉を乾燥させた香辛料として使う「コリアンダー」や、エスニック料理で使う生の葉を指す「パクチー」という呼び方が一般的です。また、カメムシとよく似た独特の匂いの為、「カメムシソウ」という別名もあります。
コリアンダー(coriander)という呼び方は英語由来ですが、アメリカではコリアンダーを食べる人は少なく、メキシコ移民が多いこともあり、英語の「コリアンダー」よりもスペイン語の「シラントロ」の方が一般的な呼称となっています。
コリアンダーの根
コリアンダーの根は、強い風味を持ち、煮込み料理の風味を増し、刻んで調味料のようにも使われます。様々なアジア料理に使われ、特にスープやカレーペーストといったタイ料理で用いられます。
コリアンダーの果実
コリアンダーの果実は、主にスパイスとして利用されます。葉とは全く違う風味があり、柑橘類のような爽やかな香りがあります。乾燥した果実は「コリアンダーシード」や、「コリアンダーホール」と呼ばれ、果実をすりつぶした粉末は「コリアンダーパウダー」とも呼ばれています。
コリアンダーの薬用
9月〜10月頃に熟して黄色くなった果実を採取し、陰干ししたものを「胡荽子(こすいし)」や、「コリアンダーシーズ」と呼び、薬用に用いられます。
果実に含まれる精油は、胃液の分泌を良くし、腸内ガスを排出する作用があり、口やのど粘膜を刺激して気道の粘液の分泌を良くして痰を切る作用があると言われ、頭痛の軽減や消化不良の改善に役立つとされています。
コリアンダーのアレルギー
一部の人にはコリアンダーの葉や、種子に対してアレルギーがあります。ある研究では、ピン・プリック検査を行った子供の32%、大人の23%がコリアンダーや、フェンネル、セロリを含むセリ科植物に対して陽性であるため、食べる際は注意が必要です。
コリアンダーの詳細情報
園芸分類 | ハーブ |
性質 | 一年草 |
開花時期 | 5月〜6月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 弱い |
耐陰性 | 弱い |
コリアンダーの詳しい育て方
コリアンダーは地中海沿岸地方原産で、日本では1000年以上前に渡来したと言われています。国内では福岡県、静岡県、岡山県などで盛んに栽培されていて「岡山マイルドパクチー」など香りがマイルドな日本人好みのパクチーも栽培されています。
コリアンダーは春まき、秋まきとあり、一年を通して流通していますが、露地栽培の旬は3月〜6月頃になります。
コリアンダーの種まき
種まきの適期は3月〜5月と、9月〜10月頃です。鉢植えでも地植えでも育てられます。春と秋のどちらでも種まきは可能ですが、どちらの季節にまいても、5月〜6月頃に開花して、枯れてしまう一年草です。
発芽率を上げるために、種まきの前に一晩ほど種を水に浸けておきましょう。用土は市販のハーブ用の培養土を使用し、5粒ずつ植え付けて、薄く覆土し、たっぷり水やりをしましょう。
鉢は日向に置き、土が乾燥したら水やりをしましょう。発芽温度は20℃前後、発芽日数は7日〜14日程です。発芽した本葉が2〜3枚出てきたら1株になるように間引きましょう。
コリアンダーの苗植え
苗植えの適期は3月〜5月頃です。日当たりを好みますが、明るい日陰でも育ちます。植付けの際に、根を傷つけないように注意しましょう。
鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢で深さがあるものに植え付けましょう。地植えの場合は、赤玉土に腐葉土と元肥として緩効性化成肥料を混ぜて、株の間隔を30cm程空けて、植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。
コリアンダーの水やり・肥料
土が乾燥したらたっぷり水やりをしましょう。水切れに弱いので、夏場などは朝と夕方の2回水やりをしましょう。
春に植えた場合は、生育サイクルが短いため、追肥を与える必要はありません。秋植えの場合は、生育期間が長いため、緩効性化成肥料を元肥として与えた後、翌年の春頃に化成肥料を株元に追肥として少量与えましょう。
コリアンダーの害虫や病気
害虫はヨトウムシやアブラムシなどが発生することがあります。食害されると風味が落ちたり、株が弱ってしまうので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
コリアンダーは病気の心配は特にありません。
コリアンダーの収穫
コリアンダーは種まき、植付けから約1ヶ月程度、草丈が20cm以上になれば収穫できます。葉が柔らかい内に収穫しましょう。花が咲く前の若い葉が美味しいと言われています。
種を収穫する場合は、芽を残しておくと花が咲き、7月以降に収穫することができます。風通しの良い日陰に干せば、スパイスなどに使用できます。ただし、花を咲かせると、エネルギーを使うので、その後枯れてしまいます。
コリアンダーの誕生花・花言葉
コリアンダーは「12月4日」の誕生花です。
コリアンダーの花言葉は「辛辣」「隠れた才能」「隠れた長所」「隠れた価値」です。
お花のある生活
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コリアンダーのまとめ
コリアンダーは昔から薬用効果があるとされ、世界中で使用されてきたハーブの一つです。日本ではパクチーの名前でも人気がある食材の一つです。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非コリアンダーを育ててみてはいかがでしょう!