造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ハナショウブとは
植物名 ハナショウブ
学 名 Iris ensata
和 名 花菖蒲
漢 名 玉蝉花(ギョクゼンカ)
英 名 Japanese iris
科 名 アヤメ科
属 名 アヤメ属
ハナショウブの特徴
ハナショウブは草丈が50cm〜100cm程になるアヤメ科の多年草です。ハナショウブは江戸時代に品種改良され、独自の発展を遂げた古典園芸植物の一つです。
ハナショウブの花は6月〜7月頃に開花します。直立した花茎の先端から花穂を伸ばし、大きな花を咲かせます。外花被片の基部中央に黄色い斑紋があります。
ハナショウブは多くの園芸品種があり、花形は、外花被片が大きく、内花被片はあまり発達しない三英咲きや、外花被片と内花被片が共にが発達した六英咲き、八重咲き、玉咲き、爪咲きなどがあります。また、白やピンク、青、黄色、紫などさまざまな色があります。
ハナショウブの葉は2列に互生し、長さ50cm〜100cmの剣状で、中助は太くはっきりと隆起します。
ハナショウブの系統
江戸系
江戸時代はハナショウブの栽培が盛んに行われ、ハナショウブ園が開かれるほど鑑賞価値がありました。60年間で200品種以上を作り出し、この品種群が日本の栽培品種の基礎になりました。
伊勢系
現在の三重県松阪市を中心に室内観賞用に栽培と品種改良された品種群です。鉢植え向きに栽培されたものが多く「伊勢菊」「伊勢撫子」と並ぶ「伊勢三品」の一つで「伊勢花菖蒲」は三重県の指定天然記念物となり全国的に知られるようになりました。
肥後系
現在の熊本県を中心に室内観賞用に栽培と品種改良された品種群です。鉢植え向きに栽培された花は、6英花でボリュームがあり、豪華で非常に見ごたえがあります。
また、江戸時代後期に肥後熊本藩主の細川斉護が菖翁の元へ藩士を弟子入りさせ、門外不出の「肥後六花」の一つを譲り受けましたが、大正時代に菖翁との約束を破り、外部へ広めてしまった者がいたため、現在では熊本県外の庭園でも目にする事ができます。
長井古系
山形県長井市で栽培されてきた品種群です。昭和37年に三系統いずれにも属さない品種が確認され「長井古種」と命名され、日本各地へ知られるようになりました。江戸時代後期から品種改良の影響を受けていない、原種に近いものと評価されています。34品種あるうちの13品種が長井市の天然記念物に指定されています。
ハナショウブの見分け方
ハナショウブをアヤメと呼称する習慣がありますが、厳密には別種の「アヤメ(菖蒲)」や「カキツバタ(杜若)」は見た目はそっくりですが、見分け方があります。
ハナショウブ
外花被片に網目模様はありませんが、黄色い斑紋があります。
アヤメ
外花被片に黄色と白の網目模様があります。
カキツバタ
外花被片に網目模様はありませんが、白い斑紋があります。
天然記念物のハナショウブ
日本国内には天然記念物に指定されているハナショウブがたくさんあり、その一部をご紹介します。
指定名称ではハナショウブとなっていますが、すべて原種の「ノハナショウブ」の自生地になります。
国指定の天然記念物
- 岩手県花巻市の「花輪堤ハナショウブ群落」
- 三重県多気郡明和町の「斎宮のハナショウブ群落」
- 鹿児島県姶良郡湧水町の「栗野町ハナショウブ自生南限地帯」
アヤメ・ハナショウブの名所
全国にはさまざまなアヤメ・ハナショウブの観光名所やお祭りがあります。初夏に見頃を迎え、美しく咲き誇るアヤメ・ハナショウブは一見の価値ありですよ。下記では全国のアヤメ・ハナショウブの名所をご紹介しておりますので、是非、ご覧ください。
初夏に咲くアヤメ・ハナショウブの名所を見に行こう!【東日本編】
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初夏に咲くアヤメ・ハナショウブの名所を見に行こう!【西日本編】
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ハナショウブの詳細情報
園芸分類 | 草花・切り花 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 6月〜7月 |
花色 | 白色・青色・他 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
ハナショウブの詳しい育て方
ハナショウブは日本や中国、朝鮮半島の原産で、現在は5000品種以上あると言われています。全国各地に分布していて、県花や自治体の花に指定されています。また、全国各地に名所があり、自生地が国の天然記念物に指定されている場所もあります。
ハナショウブの苗植え
苗の植え付けは3月〜7月頃が適期です。日当たりが良く風通しの良い場所が好みです。苗よりも1回り大きな鉢に植えましょう。用土は市販の花の培養土を使用しましょう。
地植えの場合は、植え穴を掘る時に腐葉土をたっぷり混ぜ、土の上層と下層を入れ替えて、通気性や水はけを良くしてあげましょう。
ハナショウブの水やり・肥料
ハナショウブは乾燥を嫌います。土が乾燥したら水をたっぷり与えましょう。開花時期は常に水を必要とします。水が少ないと花が綺麗に咲かず、開花の期間も短くなるので、水が入った器に鉢を入れておくなど、水切れしないようにしましょう。
肥料は、芽が出る前の3月に1回、花後の回復として7月に1回、株に栄養を与え、来年の開花のための10月に1回の年3回緩効性化成肥料を与えましょう。
ハナショウブの害虫や病気
害虫はヨトウムシ、メイガ、コガネムシなどが発生することがあります。害虫に食害されると株が弱ったり、観賞価値が下がってしまうので、見つけたらすぐに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
ハナショウブに病気の心配は特にありません。
ハナショウブの剪定
花が終わったら、種を作ろうとして栄養が種に取られ、株が弱ってしまいます。開花後は花がら摘みをしましょう。この時、葉は切り取らないように残しておき、葉は枯れてから取り除きましょう。
ハナショウブの誕生花・花言葉
ハナショウブは「5月4日」の誕生花です。
ハナショウブの花言葉は「優雅」「信頼」「心意気」「優しい心」「嬉しい知らせ」「あなたを信じます」などがあります。
花言葉の由来はギリシャ神話のエピソードに由来して、全能の神「ゼウス」は「ヘラ」という妻を迎えながら、その付き人である「イリス」に言い寄っていました。困ったイリスはヘラに「自分を別の場所に移して欲しい」と頼み、世界中を駆け回る伝令と知恵の女神になったことから「嬉しい知らせ」という花言葉を、浮気者のゼウスに向けたメッセージとして「あなたを信じます」「信頼」という花言葉が付けられたと言われています。
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ハナショウブのまとめ
ハナショウブは気品ある花姿が美しく、古くから日本人に親しまれている花の一つです。花姿も豪華で、切り花としても人気があり、名所も各地にあります。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ハナショウブを育ててみてはいかがでしょう!