造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ニンジンとは
植物名 ニンジン
学 名 Daucus carota
和 名 人参
別 名 胡蘿蔔(コラフク)
英 名 Carrot
科 名 セリ科
属 名 ニンジン属
ニンジンの特徴
ニンジンは草丈100cm程になるセリ科の二年草です。主根が根菜類として、日本でもよく食べられている緑黄色野菜の一つです。
ニンジンの主根は倒円錐形で、多肉質で長さ10cm〜100cm程に肥大し、カロテンを多く含み、オレンジ色や黄色、赤色、紫色の品種もあります。
ニンジンの花は、5月〜7月頃に開花します。花茎の先端に複散形花序を伸ばし、5花弁の小さく白い花を密に付けます。
ニンジンの葉は互生する羽状複葉で、根出葉を出して、小葉は細かく裂けます。ニンジンの葉も食用として「セリ」に似た清涼感があり、お浸しや天麩羅などで食べられています。
ニンジンの食用
ニンジンはいろいろな料理に用いられ、生食から炒めもの、煮物、ケーキ、ジュースなど、世界各地で食べられています。
ニンジンは野菜の中では炭水化物が多く、蔗糖を多く含んでいるため、特有の甘味を持っています。また、カロテン類が豊富に含まれ、根菜類では唯一の緑黄色野菜に分類されています。
ニンジンの葉にも、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、カルシウムなど栄養豊富で、鉄分は根よりも葉の方に極めて多く含まれています。
ニンジンは根を食べる根菜として栄養が豊富な野菜ですが、生で食べるとビタミンCが失われてしまう「アスコルビナーゼ」という酵素を含みます。
ニンジンの種類
ニンジンの種類は、原産地からヨーロッパで改良された「西洋系ニンジン」と、中国を経て日本に渡った「東洋系ニンジン」に大別されます。
品種改良により、特有の臭いを抑えてβカロテン量を増やしたり、使いやすいミニサイズの品種など、さまざまな品種がありますが、一般に流通しているのは西洋種です。
東洋系ニンジン
中国で改良された東洋系ニンジンは、長さ20cmを超える長根種が多く、甘味が強くてニンジン特有の臭いはありますが、煮ても形が崩れにくいのが特徴です。
代表的な品種の「金時ニンジン」は、赤色が濃く柔らかくて甘みが強いのが特徴で、おせち料理や京料理などに多く用いられることから、京人参とも呼ばれ「京野菜」のひとつに数えられています。
西洋系ニンジン
オランダやフランスで改良された西洋系ニンジンは、「三寸群」や「五寸群」などがあり、ちょうど五寸(15cm前後)程の長さのニンジンが、一般に多く流通しています。主にオレンジ色をしていて、甘味もカロテンも豊富に含んでいます。
主にスーパーなどで流通しているのは西洋ニンジンで、五寸ニンジンをはじめ、ミニキャロット、葉ニンジン、ホワイトニンジン、黄ニンジン、紫ニンジンなどのカラーニンジンもあります。
ニンジンの文化
ニンジンの根は薬用として用いられ、葉は民間療法などに用いられています。消化不良や下痢、咳などに薬効があると言われています。また、粘膜を正常にする働きがあり、皮膚や口、目、消化器官などの表面を健康に保つ作用があります。
日本には「馬の鼻先に人参をぶら下げる」という、褒美(ニンジン)を見せて、やる気を出させる言葉があり、「ニンジン=馬の好物」とされていますが、これは動物が甘いものを好むということで、日本では調教などの褒美に安価なニンジンが用いられたためであり、ヨーロッパではリンゴなどが用いられたため、ヨーロッパの馬はニンジンを好みません。
ニンジンのコンパニオンプランツ
ニンジンと一緒に作物などを植えることで、害虫被害を減らしたり、風味を増したりといった良い効果を生み出すコンパニオンプランツとしても利用されています。
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ニンジンの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
性質 | 二年草 |
開花時期 | 5月〜7月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | やや弱い |
ニンジンの詳しい育て方
ニンジンはアフガニスタンの原産で、日本には16世紀頃に渡来しました。日本にもいろいろな品種があり、国内では北海道や千葉県などで栽培が盛んに行われています。一年を通して流通しているニンジンですが、10月〜12月頃が旬になります。
ニンジンの種まき
種まきの適期は、春まきは3月〜4月頃、夏まきは7月〜8月頃が適期です。発芽温度は15℃〜25℃なので夏まきの方が成長は早いです。
プランター栽培なら、長さ60cm以上、深さ25cm以上が良いでしょう。用土は「野菜の培養土」を使用しましょう。
畑栽培なら用土は、定植2週間前に苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前に堆肥と元肥を施して再度耕しましょう。
ニンジンは集団で種まきすると発芽率が上がるので、条播き(すじまき)にして、後で間引きをしましょう。
また、発芽には水分が必要なので、雨が降った翌日に種をまくか、種まきの前にたっぷり水をまいてから種をまきましょう。
種をまいたら薄く覆土し、たっぷり水やりをしましょう。ニンジンは好光性種子のため日光を好みます。また、乾燥させないように毎日朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをしましょう。
発芽日数は適温なら10日前後ですが、低温下では3週間程かかることもあります。ニンジンは発芽率が低く、環境次第で発芽しにくい特徴があります。
ニンジンの間引き
種をまき、本葉が出てきたら間引きを行いましょう。一回目の間引きは、本葉が2枚〜3枚出てきたら、指2本くらいの間隔が空くように間引きましょう。
また、雑草に栄養を取られないように、近くに生えている雑草を除草し、化成肥料を少量混ぜながら土寄せし、ニンジンに光が当たらないようにニンジンの肩に土をかけてあげましょう。この時、間引いたニンジンの葉はサラダなどで美味しく食べられます。
二回目の間引きは、本葉が5枚〜6枚出てきたら、10cm以上の間隔が空くように間引きましょう。この時、雑草は除草し、肥料を混ぜた土で土寄せしましょう。また、間引いたニンジンは主根も葉も美味しく食べられます。
ニンジンの水やり・肥料
種まき後は、発芽するまで土を乾燥させないように毎日水やりをしましょう。発芽後は土の表面が乾燥したら水やりをしましょう。
肥料は一回目と二回目の間引きのときに追肥をしましょう。化成肥料を1平方メートル当たり約50g程、肥料と土を混ぜながら土寄せをしましょう。また、肥料を与え過ぎると二股になってしまうなど良くないので、与える時は少量にしましょう。
ニンジンの害虫や病気
害虫はキアゲハの幼虫、ヨトウムシ、ネキリムシ、キンウワバの幼虫、ネコブセンチュウなどさまざまな害虫が発生します。葉を食害して株を弱らせます。見つけたらすぐに取り除き、薬剤を散布して駆除しましょう。
病気は軟腐病、うどんこ病などがあります。過湿状態が続くと発生しやすい病気です。風通しと水はけを良くして予防しましょう。見つけたら病気の部分を取り除き、殺菌剤などで防除しましょう。
ニンジンの花
ニンジンはある程度大きくなり、低温に当たると栄養生長から生殖生長へ転換し「とう立ち」することで花芽ができて花が咲きます。とう立ちすると根がスカスカになって味が落ちるので、とう立ちする前に収穫をしましょう。また、夏まきの場合は、とう立ちしにくい品種を選ぶのもポイントです。
ニンジンの収穫
ニンジンは品種にもよりますが、種まきから3ヶ月程で、葉が茂ってくる頃、地上部に出ている根の直径が5cm前後になったら収穫できます。収穫は、茎の根元を持って真っ直ぐ上に引き抜きましょう。
また、収穫時期が遅れると、裂根といってニンジンが割れてしまいます。収穫適期を見逃さないように注意しましょう。
ニンジンの花言葉
ニンジンの花言葉は「幼い夢」です。
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ニンジンのまとめ
ニンジンは免疫力アップや、アンチエイジング効果など、民間療法にも用いられる程栄養が豊富な野菜です。
慣れてしまえば育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ニンジンを育ててみてはいかがでしょう!