造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ドクダミとは
植物名 ドクダミ
学 名 Houttuynia cordata
和 名 蕺 / 蕺草
別 名 下に記載
英 名 Chameleon plant
科 名 ドクダミ科
属 名 ドクダミ属
ドクダミの特徴
ドクダミは、草丈20cm〜60cm程になるドクダミ科の多年草です。日本では5月〜8月頃に開花します。
ドクダミは細長く白い地下茎が横に伸びて、節から不定根が輪生しています。茎は紫色を帯びて斜上または直立し、無毛または有毛で、全草にアルデヒド由来の特有の臭気があります。
ドクダミの花は、茎先または上部の葉腋から長さ1cm〜3cm程の穂状花序を出し、多数の小さな花を付け、花穂の下から咲いていきます。花には花弁がなく、葯は淡い黄色です。花序の基部には長さ1cm~2cm程で楕円形になり、白色で花びらのようにみえる総苞片が4個あります。雄しべは3本あり、花糸の下部は子房と合着します。雌しべは3枚の心皮からなり合生して、花柱は3本あります。
ドクダミの葉は互生する単葉で、長さ3cm〜10cm程の先端が尖った心形で、腺点を持ち、光沢のない暗緑色で5〜7本の掌状の葉脈があり、特に裏面はしばしば紫色を帯びます。葉柄は短く、托葉は膜質で、葉柄の基部に付き、鞘状に茎を抱いて、はじめは新芽を包んでいます。
ドクダミの果実は蒴果で、長さ3mm程の球形になり、宿存性の花柱の間で裂開します。種子は褐色の卵形です。
ドクダミの名前
ドクダミという名前は、民間薬として毒下しの薬効が顕著であるため、「毒矯め(どくだめ)」が転訛して「ドクダミ」と呼ばれるようになったと言われていますが、「毒痛み」の意味で毒や痛みに効くことから名付けられたという説や、群落地に漂う特有の臭気から毒気が溜まった場所を意味する「毒溜め(どくだめ)」が転じたとする説もあります。
古くは、「しぶき/しふき(之布岐、之布木、之布支、志布岐)」と呼ばれていました。また、「ドクダン」「ドクダメ」「ジゴクソバ」「ウマゼリ」など様々な地方名があります。各地の地方名は、薬効や生態に由来するものは少なく、多くはドクダミ特有の臭気に関するもの、あるいはこの植物をあたかも有毒植物であるかのように表現したものが多く、日本全国で160余りの地方名があると言われています。また、英語名も同様に複数の名前があります。
ただし、ドクダミが毒を持つというのは誤った解釈であり、ドクダミ自体に毒はありません。
ドクダミの園芸品種
ドクダミは園芸用にも栽培されていて、様々な園芸品種があります。花の苞が大きく八重咲きのように見える「ヤエドクダミ」、葉に白やピンク色などの斑が入ったものは「フイリドクダミ」と呼ばれています。
斑入りには、「カメレオン」や「トリカラー」と呼ばれる「五色ドクダミ」や、葉の白色部が多い「錦ドクダミ」、覆輪模様になる「フレーム」、明黄色の斑が入る「ジョーカーズ・ゴールド」などがあります。
ドクダミの薬用
ドクダミは古くから生薬、民間薬として利用され、欧米でも東洋のハーブとして利用されています。日本では内服薬として、胃腸病、食あたり、下痢、便秘、利尿などに利用され、外用薬としても腫れ物、吹き出物、皮膚病などに用いられています。花期の地上部を陰干し乾燥させたものは、日本では生薬として「十薬(じゅうやく)」と呼ばれています。
生の地上部の茎葉の特有な匂いは、精油成分である「デカノイルアセトアルデヒド」や「ラウリルアルデヒド」などの脂肪族アルデヒドに由来し、これには制菌作用がありますが、揮発性であるため乾燥させると無くなります。
ドクダミの食用
ドクダミは民間薬として古くから利用されていて、その薬効を期待して葉を乾燥させたものを煎じた「どくだみ茶」が茶外茶や、ハーブティーとして広く飲まれています。また、清涼飲料水である爽健美茶も、ドクダミを原料の1つとして使用しています。
ドクダミの葉は加熱することで臭気が和らぐため、日本では天ぷらなどにしたり、味噌和えや酢味噌和え、おひたし、ごま和え、汁の実、酢の物、油炒めにもできます。地下茎は一年中利用でき、味噌漬けにしたり、炒め物や煮物、きんぴら、酢の物、炊き込みご飯などに用いられています。
ベトナム料理では、ドクダミは香草(ハーブ)として様々な料理に添えて生食され、サラダとしても食べられています。中国西南部ではドクダミは食材として広く利用され、特に地下茎は炒め物や和え物として食べられています。
ドクダミの詳細情報
園芸分類 | 草花 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 5月〜8月 |
花色 | 白色(淡黄色) |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
ドクダミの詳しい育て方
ドクダミは東南アジアの原産で、国内では北海道、本州、四国、九州、沖縄県に分布しています。湿り気のある半日陰地を好み、住宅周辺の庭や空き地、道端、荒れ地、林、山野によく群生しています。一般的には雑草として知られていますが、薬用や食用として栽培されるほか、観賞用の園芸品種も多数あります。
ドクダミの苗植え
苗の植え付けは、3月〜4月が適期です。日当たりが良い場所から半日陰でも育ちます。斑入り品種は、日当たりが良い程、葉の色が鮮やかになります。用土は選びませんので、赤玉土に腐葉土を混ぜたものか、花の培養土を使って植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。
ドクダミは地下茎で横へと広がって他の植物を駆逐するため、これ以上広がって欲しくないところに、ブロックや板を埋め込んで、必要以上の繁茂を防ぐようにしましょう。それでも種で広がることもあるため、広げたくない場合は鉢植えで育てましょう。
ドクダミの水やり・肥料
庭植えの場合は、降雨だけで問題ありません。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。
ドクダミは肥料を与えなくても育つため、与える必要はありませんが、鉢植えの場合で生育が悪いようなら液体肥料を与えましょう。
ドクダミの害虫や病気
ドクダミは病害虫の心配は特にありません。
ドクダミの手入れ
手入れは特に必要ありませんが、ドクダミは簡単に増えてよく茂るので、生育を抑えるよう、間引きを行いましょう。冬は寒さで地上部が枯れて無くなりますが、地下茎が残り、春になると芽を出して繁茂します。
ドクダミの除去
ドクダミは繁殖力が旺盛で、ちぎれた地下茎や風で飛んできた種子からも繁殖します。気づいたら一面ドクダミだらけになり、近くの植物を駆逐することがあります。また、ドクダミは強い臭気があるため困っている方も多いと思います。一度繁殖してしまうと除去するのが大変なドクダミですが、有効な除去方法もありますので、ご紹介します。
ドクダミの除草
ドクダミを除草する方法ですが、ドクダミは地上から手で抜いても地下茎は途中で切れてしまうので、完全に除去するのは難しいですが、継続して引き抜くことである程度は除去することが可能です。
ただし、地下茎が残っていると時間とともに成長し、また地上に生えてきますので、手で抜いて除去する方法はあまりオススメではありません。
よく耕作する
ドクダミが生えている土をよく耕作して、できるだけ取り除くことで除去することが可能です。毎シーズン深くまで耕し、栄養茎も地下茎も取り除くことでドクダミは生えてこなくなりますが、即効性はなくかなりの手間がかかります。
ドクダミに除草剤
ドクダミを除去する方法としてオススメなのは、除草剤を散布する方法です。ドクダミが厄介な原因となる地下茎まで浸透して根から枯らせる除草剤があります。
除草剤は地上茎から浸透して、地下茎を枯らせますので、散布する際は晴れた日に行いましょう。散布してから5日〜10日程で枯れますが、一度で全てを枯らせるのは難しいので、何度か継続的に散布することで除去することができます。
注意点として除草剤は薬剤が強いため取り扱いには注意が必要です。また、除草剤にはいろいろな種類があり、ドクダミに効果があるものを選びましょう。さらに、除草剤を散布すると近くにある植物も枯れてしまうことがあるので、その点も注意しましょう。
ドクダミに防草シート
ドクダミを生やさないために防草シートを敷く方法もあります。ドクダミ(雑草)は太陽光を浴びて光合成をして成長します。防草シートを敷くことで太陽光を遮断して光合成をさせないことで、成長できません。
防草シートを敷くことでドクダミや他の雑草も生えなくなりますが、シートを敷き詰めて専用のピンで固定する手間がかかります。また、隙間があるとそこからドクダミが生えてきたり、安価なシートを選ぶとすぐに劣化して交換する手間もかかります。
あまり効果がないドクダミの除去方法
ドクダミをバーナーで焼く方法は、地表は綺麗になりますが、地下茎が残るため、一時的なもので、すぐに生えてきます。
ドクダミに熱湯をかける方法も地表は枯れますが、地下茎が残るため、一時的なもので、またすぐに生えてきます。
ドクダミに塩をまく方法は、地表部分は枯れますが、地下茎が残るため、一時的なもので、すぐに生えてきます。また、塩をまくと他の植物も育たなくなるうえに、コンクリートや鉄など家の基礎や配管にも悪影響を及ぼしますので、塩をまくのはやめましょう。
ドクダミの誕生花・花言葉
ドクダミは「5月15日」の誕生花です。
ドクダミの花言葉は「野生」「自己犠牲」「白い追憶」などがあります。
お花のある生活
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ドクダミのまとめ
ドクダミは独特な臭気がある雑草として知られていますが、古くから薬草としても利用され、観賞用の園芸品種もあり、鮮やかな葉が特徴のカラーリーフとしても栽培されています。
育てるのは簡単ですが、繁殖力には注意して、みなさんも是非ドクダミを育ててみてはいかがでしょう!