ケールの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

ケールの葉

こちらでは、ケールの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

ケールとは

縮れのないケール

 

植物名   ケール


学 名   Brassica oleracea var. acephala


和 名   ケール


別 名   下に記載


英 名   Kale


科 名   アブラナ科


属 名   アブラナ属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ケールの特徴

ケールの栽培

 

ケールは草丈30cm〜80cm程になるアブラナ科の一年草または多年草です。栄養価が高く「野菜の王様」とも呼ばれています。

ケールは品種により茎が3m以上になるものもあります。葉も品種によって異なり、ロゼット状に出て、日本では一般的な縮れのない広倒卵形や、細かく縮れるもの、濃い緑色で葉脈の目立つものや灰緑色のものなど様々です。

ケールの花は4月〜5月頃が開花期で、花は茎先の総状花序に付き、経1cm〜2cm程の淡黄色の4弁花です。

 

ケールの名前

ケールという名前は、様々なキャベツを意味する北部中世英語「cale」に由来して名付けられたと言われています。本種はキャベツの仲間で、結球していない姿から日本では「リョクヨウカンラン(緑葉甘藍)」とも呼ばれ、特に縮れた葉のものは「ハゴロモカンラン(羽衣甘藍)」とも呼ばれています。

本種と同じ学名である「Brassica oleracea」を持つ植物に「カリフラワー」「キャベツ」「芽キャベツ」「ブロッコリー」「葉ボタン」などがあり、すべて原種の「ヤセイカンラン」から派生したもので、その中でもケールは最も原種に近い植物です。

 
 

ケールの品種

アブラナ科植物の多くは自家受粉せず別株の花粉を受粉するため、亜種が生じやすく品種改良がしやすい特徴があります。色や形、大きさの異なるものがあり、品種は茎の長さや葉の形状の違いで区別されることがあります。野菜としてだけでなく、観賞用や家畜の飼料など、さまざまな品種が栽培されています。

コラード系ケール

コラード系ケールは、日本で最も一般的な縮れがほとんど無い品種です。海外では野菜として人気があり、日本では青汁に利用されています。コラード系にもさまざまな品種があり、「ハイクロップ」はタキイ種苗が開発した青汁に向いている品種で、「サンバカーニバル」は、柔らかく苦みが少ないため、開発した増田採種場が「ソフトケール」という商品名で販売しています。

 

ムラサキキャベツ

赤キャベツとも呼ばれ、冬キャベツよりも肉厚で固く、葉の表面は紫色ですが葉肉は白色で、切り口の見た目、特に色合いの美しさからピクルスやサラダに用いられています。また、ムラサキキャベツの色素アントシアニンは、キャンディーやゼリーなどに赤紫色を発色させる着色料としてよく使用されています。

 

カーリーケール

カーリーケールは、葉が縮れた濃い緑色のケールの総称で、苦みが少なく、サラダでも食べやすい品種です。日本では「ちりめんケール」とも呼ばれています。「カリーノケール」はトキタ種苗が開発した品種で、しっかりした食感で、苦味や青臭さが少なく、生のサラダとしても食べられるほか、素揚げのチップスや、スープ、スムージーとしても飲まれています。

 

シベリアンケール

シベリアンケールは、葉が青々として縮れが少なく、苦味が強い品種です。草丈が高いものと低いものがあり、一般には低いのものが多く用いられています。また、最も耐寒性が高い品種で、寒い地域でも栽培されています。

 

トスカーナケール

トスカーナケールは、イタリアのトスカーナ地方で古くから栽培されている品種で、葉は細長く黒に近い濃い緑色で、亀の甲羅のようにひび割れた模様が入ります。繊維質で固いので、煮込み料理によく使われています。

 

ツリーケール

ツリーケールは、大型で直立し、背丈は2m〜4mにも達する品種です。葉も大型で、葉身が厚くて蝋質が強く、切れ込みがあるものとないものがあり、多くは葉を繰り返し収穫して家畜の飼料として利用されていますが、食用にも使われ、特に春に葉の付け根から出る新芽は良い食材とされています。

 

サウザンドヘッドケール

サウザンドヘッドケールは、直立した姿でよく枝分かれして、高さ1m〜2m程になる品種です。各枝の先は、茎がやや太くなり、ロゼット状の葉を数多く生やしてやぶ状になります。主に家畜の飼料として栽培されています。

 

マローステムケール

マローステムケールは、茎が太く背骨のようになる品種です。若葉や、茎の髄を食用としますが、一般には家畜の飼料として栽培されています。

 

ケールの食用

ケールの青汁

 

ケールはヨーロッパやアフリカ、ブラジル、アメリカ、韓国などでは料理の食材として一般的に使われる野菜です。日本では香りが独特で苦味が強いため、青汁など飲料用の材料として利用されています。葉をフリーズドライして、常温で顆粒状にした粉末青汁は、水や牛乳に溶かして飲料にしたり、料理にも使用できます。

ケールは茎が硬く、通常は取り除かれ、若く柔らかい葉は、生のままサラダとして食べられるほか、温野菜や他の野菜と合わせてソテー、ポタージュ、揚げ物、煮物、炒め物などの具材として用いられています。

 
 

ケールの栄養素

ケールは栄養が豊富な緑黄色野菜として知られていますが、栄養成分は品種や収穫地によって大きく異なります。一般的に生のケールは、90%近くが水分で、その他炭水化物やたんぱく質、脂質で構成されています。

ケール100gで1日摂取目安量の3.7倍という大量のビタミンKが接種できるほか、ビタミンA、C、B6、葉酸も豊富であり、マンガン、鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リンなどのミネラルの良い供給源でもあります。ただし、生のケールを茹でると、これらの栄養素のほとんどが減少しますが、ビタミンA、K、マンガンはかなりの値を維持します。

また、食物繊維も多く、他の葉野菜と比べて、特にβ-カロテン、ビタミンB2、カルシウムの含有量が多く、β-カロテンはキャベツの50倍以上で小松菜に匹敵するほど含まれています。

 

ケールの詳細情報

園芸分類野菜
性質一年草・多年草
開花時期4月〜5月
花色淡黄色
栽培難易度
耐寒性強い
耐暑性やや弱い
耐陰性やや弱い
 
 

ケールの詳しい育て方

トスカーナケール

ケールは南ヨーロッパの地中海沿岸が原産で、日本へは江戸時代に渡来したと言われています。日本人の好みには合わず、食用として日本で栽培が普及したのは1990年代の青汁人気からですが、現在では日本でも苦味が少なく食べやすい料理用ケールが次々と商品化されています。

ケールは青汁メーカーの「キューサイ」が島根県の契約農家で栽培されていたり、主な産地は茨城県、岡山県、福岡県、鹿児島県などで栽培されています。年間を通して流通していますが、11月〜翌2月頃の寒い季節が美味しい旬の時期です。

 

ケールの種まき・間引き

ケールは家庭菜園では春まきの夏収穫や、秋まきの冬収穫で栽培できます。収穫までの日数は、品種・作型によって異なりますが、種をまいてから90〜100日程度、苗植えからは60〜70日程度が目安です。また、連作は避けるため、同じ畑では2〜3年は空けるようにしましょう。

種まきの適期は3月〜4月と、7月〜8月頃で、発芽適温は15℃〜25℃です。また、発芽日数は3日〜5日程です。

種まきは、ポット(3号:9cmサイズ)に3〜5粒ずつ種をまき、軽く覆土して、たっぷりと水やりをしましょう。発芽までは乾かないように管理して、発芽後は過湿にならないように水やりをしましょう。

本葉が2〜3枚の頃に間引きをして1本立ちにし、最終的に本葉5〜6枚の苗に育てたら定植しましょう。種まきから30日程度が目安です。

 

ケールの苗植え

苗植えの2週間前に、苦土石灰を混ぜながらよく耕しましょう。1週間前にたい肥と元肥を施し、再びよく耕しましょう。幅60cm~90cm、高さ10cm~15cm程の畝を立て、株同士の間隔を30cm~50cm程あけて、根鉢を崩さないように苗を植え付けましょう。

日当たりが良く、風通しの良い場所が好みです。定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、植え付け後にたっぷりと水やりをしましょう。また、ケールは害虫が付きやすいため、植え付け後に防虫ネットをかけて対策しましょう。

 

ケールの水やり・肥料

地植えの場合は、降雨だけで問題ありません。鉢植えの場合は、土が乾いたら水やりをしましょう。

肥料は、苗植えから1ヶ月程経ち、本葉が8〜10枚程になったら野菜用の肥料を与えましょう。また、追肥と同時に中耕と土寄せをしておきましょう。その後は、1週間に1回程度、液体肥料を与えましょう。

 

ケールの害虫や病気

害虫はアオムシ、コナガ、ヨトウムシ、アブラムシなどが発生することがあります。食害されると味が落ちたり、株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。また、防虫ネットをトンネル状にかけると被害を抑えることができます。ネットをかける時は、土との間にすき間ができないようにしましょう。

病気は萎黄病、菌核病、根こぶ病、軟腐病などがあります。軟腐病は結球間近になって、茎の地際から腐り始めて悪臭を放ちます。軟腐病や根こぶ病は連作をしないようにして、畝を高くして水はけをよくすることで、ある程度防ぐことができます。また、予防として薬剤散布で防除しましょう。

 

ケールの収穫

収穫は外葉が40cm程に伸びて、葉の色が濃くなったら収穫時期です。収穫は外側の葉(下葉)から摘み取って収穫しましょう。常に7〜8枚の葉を残し、収穫の間も2週間に1回、液体肥料を施してあげると長く収穫を楽しめます。

春にトウ立ちしたら、花芽が付いても下の葉から収穫は可能ですが、花芽の生長に葉の養分を消費するため、葉が固くなるため、その時は株元から引き抜いて収穫しましょう。また、摘み取った花芽も食べることができます。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ケールの花言葉

ケールの葉

 

ケールの花言葉は「愛を包む」です。

 

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ケールの花
 
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ケールのまとめ

縮れているケール

ケールはいかがでしたか?
ケールは結球しないキャベツの一種です。栄養が豊富で、青汁やスムージーの材料としてお馴染みの食材ですが、海外では普通の野菜として人気の食材です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ケールを育ててみてはいかがでしょう!
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