造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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カタバミとは
植物名 カタバミ
学 名 Oxalis corniculata
和 名 片喰/ 傍食/ 酢漿草
別 名 雀の袴(スズメノハカマ)
英 名 Wood sorrel
科 名 カタバミ科
属 名 カタバミ属
カタバミの特徴
カタバミは草丈10cm〜30cm程になるカタバミ科の多年草です。日本では4月〜9月頃に花を咲かせます。
カタバミは地下に球根を持ち、さらにその下に大根のような根を下ろします。匍匐茎をよく伸ばし、地表に広がり、地に接する茎からさらに細い根を出し、どんどんと繁殖します。
カタバミの花は、直立茎の上に腋生して、散形花序に1~8個付く、径1cm程の黄色い5弁花で、晴天で開き、光が弱まると閉じる性質があります。
カタバミの葉は根生し、茎上では互生する3出複葉で、長い葉柄の先端に長さ・幅ともに1cm程の先端が凹むハート形で、裏面や縁に毛があります。普通は緑色ですが、紅紫色や紫色の班が入るものがあり、昼間は開いて、夜になると2つに閉じる性質があります。
シロツメクサの果実は、長さ2.5cm程の円柱形の蒴果で、全体に白っぽい毛が生えて、熟すと5裂して赤褐色の種子を多数飛ばします。種子は広卵形で横シワがあります。
カタバミとクローバー
カタバミは、四つ葉のクローバーで知られる「シロツメクサ(白詰草)」と葉が良く似ているため混同されますが、全く別種の植物です。
見分け方としては、カタバミの葉は先端が凹むハート形で、シロツメクサの葉は先端が丸く、白いV字の模様が入ります。
クローバーの葉として、ロゴマークなどで使用しているものの中には、葉をハート形に描いているものもありますが、これは誤りで、クローバーの葉はハート形ではなく、よく間違われるカタバミの葉になっているケースがあります。
また、クローバーと同様に、カタバミにも四つ葉や六つ葉といった多葉変異体が発生しますが、発生率はクローバーのそれに比べると低いと言われています。
カタバミの利用
カタバミは「酢漿草(サクショウソウ)」という名の生薬として、消炎、解毒、下痢止めなどの作用があるとされています。
カタバミは繁殖力が強く、一度根付くと絶やすことが困難であることから、「(家が)絶えない」に通じることから、「片喰紋・酢漿草紋(かたばみもん)」として、家運隆盛・子孫繁栄の縁起担ぎとして家紋の図案に用いられ、十大家紋のひとつに数えられています。
カタバミの名前
カタバミの葉はハート形で1片が食べられて欠けているように見えることから、「片喰・傍食(カタバミ)」と付けられたと言われています。また、カタバミは全草にシュウ酸塩を含み、食べると酸っぱいと言われて、「酢漿草(サクショウソウ)」という生薬であり、この漢字でカタバミとも読みます。
カタバミの別名に「雀の袴(スズメノハカマ)」があります。これは、カタバミの葉や花が日光が当たると開き、暗くなると閉じる性質があり、閉じた姿が小さい袴に見えることから付けられました。
カタバミは各地方によって方言や地方名がたくさんあります。「かがみぐさ」「すいば」「しょっぱぐさ」「すずめぐさ」「ねこあし」「もんかたばみ」など、日本方言大辞典には180種以上が記録されています。また、中国ではカタバミを「三葉酸草」「老鴨嘴」「酸味草」「満天星」などと書きます。
カタバミの詳細情報
園芸分類 | 草花 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 4月〜9月 |
花色 | 黄色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 弱い |
カタバミの詳しい育て方
カタバミはヨーロッパ原産で、世界中に自生、分布しています。繁殖力が強く、日本国内も全国各地に帰化して自生する雑草のひとつです。人里や田畑、市街地まで幅広い環境に適応して、特に空き地や田畑、芝生やグラウンドに多く生えます。
カタバミの苗植え
苗植えの適期は4月〜5月と9月〜10月頃です。日当たりが良く風通しの良い場所を好みます。用土はあまり選ばないので、赤玉土に腐葉土を混ぜたもので十分育ちます。
カタバミの水やり・肥料
一旦根付いてしまえば、あとは降雨で問題ありませんが、乾燥しているようなら水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。
カタバミは肥料は特に必要ありません。
カタバミの害虫や病気
害虫はハダニ、アブラムシなどが発生することがあります。食害されると景観価値が下がってしまい、株が弱ってしまうので見つけたら取り除き、早めに薬剤散布で防除しましょう。
病気はさび病があります。病気にかかるとカビが発生するため、病気の部分は取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
カタバミの除去
カタバミは繁殖力が異常に強く、引っこ抜いても根が残っていたり種がこぼれていたりして、環境が合うとどんどんと繁殖して、除去が難しくなることがあります。カタバミは生育場所に注意し、除去する際は下記の方法が有効です。
よく耕作する
カタバミが生えている土をよく耕作して、できるだけ取り除くことで除去することが可能です。毎シーズン深くまで耕し、根から取り除くことでカタバミは生えてこなくなりますが、即効性はなくかなりの手間がかかります。
カタバミに除草剤
カタバミを除去する方法としてオススメなのは、除草剤を散布する方法です。カタバミが厄介な原因となる根まで浸透して根から枯らせる除草剤があります。
除草剤は葉から浸透して、根を枯らせますので、散布する際は晴れた日に行いましょう。散布してから5日〜10日程で枯れますが、一度で全てを枯らせるのは難しいので、何度か継続的に散布することで除去することができます。
注意点として除草剤は薬剤が強いため取り扱いには注意が必要です。また、除草剤にはいろいろな種類があり、カタバミに効果があるものを選びましょう。さらに、除草剤を散布すると近くにある植物も枯れてしまうことがあるので、その点も注意しましょう。
カタバミに防草シート
カタバミを生やさないために防草シートを敷く方法もあります。カタバミ(雑草)は太陽光を浴びて光合成をして成長します。防草シートを敷くことで太陽光を遮断して光合成をさせないことで、成長できません。
防草シートを敷くことでカタバミや他の雑草も生えなくなりますが、シートを敷き詰めて専用のピンで固定する手間がかかります。また、隙間があるとそこからカタバミが生えてきたり、安価なシートを選ぶとすぐに劣化して交換する手間もかかります。
カタバミの誕生花・花言葉
カタバミは「5月20日」の誕生花です。
カタバミの花言葉は「喜び」「輝く心」「母の優しさ」です。
カタバミはスペインやフランスなどで「ハレルヤ」(キリスト教で「主をほめたたえよ」の意味)とも呼ばれています。これは復活祭(春分の日の後の最初の満月の次の日曜日に、キリストが三日目に復活したことを記念する祭)のハレルヤが唱えられる時期にカタバミの花も咲きだすことに由来します。
「喜び」という花言葉は、カタバミがスペインやフランスでは「ハレルヤ」(キリスト教で「主をほめたたえよ」の意味)とも呼ばれていて、これは復活祭(春分の日の後の最初の満月の次の日曜日に、キリストが三日目に復活したことを記念する祭)のハレルヤが唱えられる時期にカタバミの花も咲きだすことに由来します。
「輝く心」という花言葉は、かつて真鍮の仏具や鉄製の鏡をカタバミの葉で磨いたことに由来すると言われています。
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カタバミのまとめ
カタバミはクローバーにも似た可愛らしいハート形の葉が特徴的で、春から秋頃まで咲かせる黄色い花や葉は日光が当たる時間だけ開き、暗くなると閉じるという面白い性質があります。
繁殖力が強いので注意が必要ですが、育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非カタバミを育ててみてはいかがでしょう!