ノビル(野蒜)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

食用のノビル

こちらでは、ノビル(野蒜)の植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

ノビルとは

ノビルの味噌和え

 

植物名   ノビル


学 名   Allium macrostemon


和 名   野蒜


別 名   下に記載


英 名   Wild rocambole


科 名   ヒガンバナ科


属 名   ネギ属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ノビルの特徴

野生のノビル

 

ノビルは草丈40cm〜60cm程になるヒガンバナ科の多年草です。道端で見かける野草ですが、鱗茎や若芽を春の山菜として食用とします。

ノビルは地下に、径10mm〜20mm程の白くて丸い鱗茎を持ち、下部にひげ根があります。

ノビルの葉は根出して、長さ20cm~30cm、幅2mm~3mm程の線形で、柔らかく白粉を帯びて、断面は三日月状の中空になります。

ノビルは5月〜6月頃に、花茎の先端に散形花序を付けます。花は白や淡紅色で、花被片は6枚あり、長さ5mm程の卵状長楕円形で、雄しべは6本で花被片より著しく長くなり、雌しべは1本です。

ノビルは6月頃になると花茎頂に、花になるはずの細胞が変化して、小さな珠芽(むかご)ができて、散布体としてポロポロ落ちて新しい個体になって繁殖します。個体によっては、開花前から花を咲かせずに珠芽だけのものや、花を咲かせている個体でも、一部が珠芽に変化して、花と珠芽が一緒に付いているものもあります。

ノビルの果実は蒴果で、熟すと裂開して、各室に2個の黒色の種子があります。

 

ノビルの名前

ノビルという名前は、野に生えるヒル(蒜)という意味で、蒜とは「ネギ(葱)」や「ニンニク(大蒜)」「ニラ(韮)」など食用となるネギ属の臭いが強い植物を総称として呼ばれていました。

日本の一部地域では、「キモト」「グンサイ」「コビル」「チモト」「ヒリコ」「ヒル」「ヒルナ」「タマビル」「ノノヒル」「ヒロ」などの地域名でも呼ばれています。

 
 

ノビルと似ている有毒植物

花が咲いていない葉の茂っている時期のノビルと似ている植物に、「タマスダレ(玉簾)」「ヒガンバナ」「スイセン(水仙)」「サフランモドキ」などのヒガンバナ科の有毒植物と葉が似ていて、野生のノビルを採取する際に間違えないように注意が必要です。

ノビルを採取しようとして、スイセンなどヒガンバナ科の植物を誤って採取し、食べたら食中毒になる事故がよくあるため、気をつけましょう。ノビルにはネギやニラと同じような匂いがありますが、ヒガンバナ科の植物には匂いがありません。

 
 

ノビルの食用

春の代表的な山菜の一つとして、葉や茎、鱗茎を食用とします。シャキシャキした食感の鱗茎は生でも食べられ、若芽を鱗茎ごと掘りとって利用します。味はネギや「ラッキョウ(辣韮)」に似ていて、多少の苦味と鮮烈な辛味がありますが、軽く炙ったり、熱を加えると辛味が和らぎ、甘味が出ます。また、珠芽(むかご)は、香辛料に使用されています。

葉は万能ネギやニラのように用いられ、鱗茎は酒の肴として生やゆがいて酢味噌などの味付けで食されるほか、軽く湯通ししてぬたにしたり、味噌汁の具や薬味としても用いられます。鱗茎を醤油漬けや酢漬けにしたり、若芽は天ぷらにして食べられています。

 
 

ノビルの薬用

ノビルは古来から薬草としても用いられ、滋養強壮や食欲増進に役立つとされています。鱗茎を夏に掘りとって天日乾燥したものがラッキョウと同じ「薤白(がいはく)」という生薬となり、同類の中国の植物名を当てて「山蒜(さんきん)」とも呼ばれています。

狭心症の痛みの予防や、食べ過ぎによる食欲不振などに効果があると言われ、民間療法では、強壮、鎮咳、扁桃炎、咽頭炎にも効果があると言われています。

 

ノビルの詳細情報

園芸分類草花
性質多年草
開花時期5月〜6月
花色白色・淡紅色
栽培難易度
耐寒性強い
耐暑性強い
耐陰性普通
 
 

ノビルの詳しい育て方

ノビルの群生

ノビルは東アジアの原産で、日本では北海道、本州、四国、九州、沖縄県に分布しています。日当たりの良い山野、土手、草地、道端などで見かけることができます。

 

ノビルの植え付け

植え付けは9月〜10月頃が適期です。日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。

球根(苗)は自生しているものを採取するか、ネットショップやスーパーでも流通しています。用土は市販の花の培養土を使って植え付けたら、たっぷりと水やりをしましょう。

 

ノビルの水やり・肥料

庭植えの場合は、降雨で問題ありませんが、夏場など乾燥する場合は水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。

肥料は与えなくても枯れませんが、収穫を前提にした栽培では、3月頃に野菜用の肥料を与えましょう。

 

ノビルの害虫や病気

ノビルは病害虫の心配は特にありません。

 
 

ノビルの収穫

収穫時期は4月〜5月頃で、草丈が50cm程、葉鞘部分の太さが1cm程になったら適期です。花後の5月〜6月頃には珠芽(むかご)が収穫できます。

茎を引っ張って収穫すると、球根が土に残ってしまうため、スコップ等で株ごと掘り上げて収穫しましょう。収穫したら土をよく洗い流して、茶色の表皮や枯れた葉を取り除いて使いましょう。秋に植え付ける場合は、球根部分を乾燥させて植え付け時期になるまで風通しのよい暗所で保管しましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ノビルの花言葉

ノビルの蕾

 

ノビルの花言葉は「よろこび」「胸の高まり」「タフなあたなのことが好き」です。

 

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ノビルの開花
 
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ノビルのまとめ

野生のノビル

ノビルはいかがでしたか?
ノビルは全国に分布して、草地や道端などで見かけ、春の代表的な山菜としても食べられています。自生するものを採取する際は毒草と間違えないように注意が必要です。
育てるのは比較的簡単なので、みなさんも是非ノビルを育ててみてはいかがでしょう!
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