ウコンの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

ウコンのスパイス

こちらでは、ウコンの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

ウコンとは

ウコンのスライスと粉末

 

植物名   ウコン


学 名   Curcuma longa


和 名   鬱金


別 名   秋ウコン


英 名   Turmeric


科 名   ショウガ科


属 名   ウコン属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ウコンの特徴

ウコンの葉

 

ウコンは草丈50cm〜100cm程になるショウガ科の多年草です。根茎を染料としたり、スパイスとして利用されています。

ウコンは、地下にある根茎が多肉で太く、輪節があり、中は鮮やかな黄色をして芳香があります。主根茎はほぼ卵形体で長さは4cm程あり、側根茎は円柱形でやや湾曲し、長さ2cm〜6cm程あります。

ウコンの花は8月〜10月頃に開花します。葉の間から高さ30cm程になる大型の穂状花序を出して、花穂は多数の淡緑色の苞葉が積み重なった姿をして、上方のものは先端が白色になり、ときに淡紫紅色を帯びて目立ちますが、これは花ではなく、下部の苞葉の間から淡黄色の花を咲かせます。

ウコンの葉は数個が2列に互生し、長い柄が立ちます。葉は長さ50cm〜100cm程、幅15cm〜18cm程の先端が尖った線形〜長楕円形になります。

 

ウコンの名前

ウコンという和名の由来は、原産地であるインドから渡来し、呉音である「ウッコン」が転訛し「ウコン」になりました。ヒンディー語・ウルドゥー語・グジャラーティー語では「ハルディ」、琉球語の「ウッチン」、インドネシア語・マレー語の「クニット」、タイ語の「カミンチャン」、ハワイ語の「オレナ」などでも知られています。

ウコンは別名「秋ウコン」や「赤ウコン」とも呼ばれています。また、同属別種に「春ウコン」や「紫ウコン」もあります。

春ウコンは「キョウオウ」という植物で、健康食品などに使われています。春にピンク色の花が咲き、ミネラルや精油成分が豊富で、「黄ウコン」や「ワイルドターメリック」とも呼ばれています。

紫ウコンは「ガジュツ」という植物で、漢方などに使われています。夏に白色の花が咲き、「白ウコン」や「夏ウコン」とも呼ばれています。ただし、白ウコンは「ハナショウガ」を指すこともあります。

ほかにも、インドネシア原産でクルクミンの含有量が多く薬効が強い変種「ジャワウコン」があり、現地名由来の「クニッツ」や別名「クスリウコン」という名前で日本でも流通しています。

 

ウコンの食用

ウコンを使ったカレーライス

ウコンの根茎は「ショウガ(生姜)」に似ていて、これを食用にします。生薬やスパイス、着色など幅広く利用され、カレーのスパイスの一つである「ターメリック」になることでもよく知られています。根茎を薄切りにして天日干ししたものを粉末に加工して利用したり、湯で煮出して飲みます。生のウコンは、すりおろして少量の白湯に溶いて飲んだり、根茎を焼酎に漬けて薬酒も造られています。

沖縄では煎じたウコン茶(うっちん茶)を飲む習慣があり、ティーバッグ形式のもののほか、健康飲料としてペットボトル入りのものも販売されています。二日酔いを防ぐということで、飲酒の前後に飲まれたり、泡盛に入れたりりすることもあります。また、居酒屋ではよくウコンのサプリメントが常備されています。

 
 

ウコンの利用

ウコンは古くから黄金色の着色料としても使われ、「キゾメグサ(黄染草)」という異名があります。黄金色の色素成分はクルクミンであり、カレーの色はウコンの色であるほか、からしや沢庵漬けの色付けにも使われています。

繊維染料として黄袋などにも用いられ、乾燥した根茎を用いた木綿は鬱金木綿と呼ばれています。ウコンで染色した布は虫が付き難いと言われ、貴重な骨董品や書画などの古美術を虫の被害から守るため、ウコン染めの布や鬱金木綿で包む習慣がありました。

インドや東南アジアでは、スパイス、染料、切り傷の外用薬、化粧用のパウダーとして利用されています。インドでは魔除けになると言い伝えられており、ヒンズー教の儀式に用いられます。インドネシアの結婚式では、花嫁、花婿が鬱金で腕を染め、黄金色に炊き上げた米飯が振る舞われます。

ヨーロッパでは、マーガリンやチーズの着色に使われています。また、パエリアなどに高価なサフランの代わりとして利用されることもあります。

 
 

ウコンの薬用

ウコンの根茎は日本の生薬名で「鬱金(ウコン)」と称され、秋に掘り採った根茎のコルク層を除いてから、普通は湯通しした後に天日乾燥して調製します。薬用やハーブとして、一般的には健胃薬や利胆薬、通経薬、駆瘀血(くおけつ)薬として、胃炎、肝炎、胆道炎、月経不順、産後腹痛などに用いられます。

俗に肝機能を増進すると言われ、二日酔いの抑止効果があると謳った錠剤やドリンク剤が多数発売されています。クルクミンの働きによって、肝機能の強化、消化促進、食欲増進などの働きがあると言われています。また、糖尿病、高血圧症、動脈硬化などの生活習慣病の予防効果も期待されています。

 
 

ウコンの副作用

ウコンを大量摂取するとアレルギーや肝障害を引き起こすリスクもあるため注意喚起されています。ウコン(秋ウコン)によって自己免疫性肝炎を併発した可能性のある症例の発表もあり、ウコン(秋ウコン)を含有した外用薬によるアレルギー性皮膚炎も報告されています。

秋ウコンの根茎は、クルクミンの他にもミネラル分(鉄分)が豊富に含まれているものがあり、C型慢性肝炎患者(あるいはその他の肝炎患者)などは、ウコン含有の鉄分(栽培地や栽培方法によってミネラルの含有量が高くなる場合がある)が肝臓に過剰な影響を及ばす可能性があり、注意が必要と言われています。

 
 

ウコンの成分

ウコンには約5%前後の精油成分(エッセンシャルオイル)、と約5%前後のポリフェノール類(クルクミン)が含まれています。精油成分としては、ターメロン(胆汁分泌促進)、シネオール(胆汁・胃液の分泌の促進)、α-クルクメン(コレステロールを溶かし、高脂血症に有効)、クルクモール(抗がん作用)、β-エレメン(腫瘍予防の効果)、カンファー(健胃・殺菌効果)、テルペン類などが知られています。

クルクミンと精油成分の、各々の含有比率は、秋ウコンと類似種の春ウコン、紫ウコンで異なり、秋ウコンはクルクミン含有量が豊富で精油成分には乏しく、春ウコンは精油成分が比較的豊富です。紫ウコンはクルクミンに乏しく精油成分のみの組成になります。

ほかにも、ウコンの根茎には、ミネラル(鉄分)などの微量元素や、食物繊維、デンプン、カリウム、ビタミンC、カロテンなどが含まれています。

 

ウコンの詳細情報

園芸分類野菜
性質多年草
開花時期8月〜10月
花色淡黄色
栽培難易度
耐寒性弱い
耐暑性強い
耐陰性やや弱い
 
 

ウコンの詳しい育て方

ウコンの収穫

ウコンはインドの原産で、日本には江戸時代中期に渡来して、薬用や観賞用として栽培されました。日本では沖縄県が最大の産地として知られるほか、種子島、石垣島、奄美大島、鹿児島県などでも栽培されています。貯蔵性も高く、一年を通して流通していますが、収穫時期となる10月〜11月頃が旬の時期となります。

 

ウコンの植付け

植付けの適期は4月〜5月頃です。日当たりから半日陰が適しています。ウコンの植付けは種イモ(根茎)を植え付けます。

発芽温度は20℃〜30℃で、生育適温は25℃〜30℃、発芽日数は1ヶ月程です。

プランター栽培は、8~10号の深型の鉢、または深型のプランターを用意し、用土は「野菜の培養土」を使用しましょう。株間10cm~15cm間隔、深さ5cm程で根茎を植え付けましょう。

畑栽培の用土は、定植2週間前に苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前に堆肥を混ぜて再度耕しましょう。植付けは幅80cm、 高さ10cm程の畝に、株間20cm~30cm間隔、深さ5cm程で根茎を植え付けましょう。植え付け後にたっぷり水を与え、その後もできるだけ乾燥させないようにしましょう。

 

ウコンの土寄せ

ウコンは根が地上に露出すると日光で根を傷めてしまい、生育不良の原因になってしまいます。タイミングよく株元に土を寄せておきましょう。根元周りの用土が減ってきたと感じたら、株周りの固くなった用土の表面を軽くほぐしてから株元に寄せておきましょう。プランター栽培では用土が減ってきたら新しい用土を足しましょう。

 
 

ウコンの水やり・肥料

ウコンは極度の乾燥を嫌います。植え付け後の約1週間は、水切れしないように用土の表面が乾いたタイミングでこまめに水やりをしましょう。その後は用土の表面が乾いたタイミングで水やりをし、夏の乾燥時期もこまめに水やりをして、乾燥を防ぐため、ビニールマルチや敷き藁をするのも良いでしょう。

植え付けから1ヶ月後に追肥をしましょう。有機肥料や化成肥料を株周りの土と混ぜ合わせて、株元に土寄せしましょう。その後は茎葉の状態を見ながら、2週間に1回のペースで同じ肥料を施していきましょう。

 

ウコンの害虫や病気

害虫はメイガ類、センチュウ類、ヨトウムシ、アブラムシなどが発生します。苗が小さいうちは害虫が発生しやすく、食害されると株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、必要な場合は薬剤を散布して駆除しましょう。

病気は根茎腐敗病、モザイク病、いもち病、白星病、紋枯れ病などがあります。カビの一種が原因で、幼芽に水滴のような病斑ができ、地上部分は黄褐色になり腐敗します。日当たりと風通しの良い場所で、乾燥しないように育てることである程度予防できます。

 

ウコンの収穫

苗の植え付けから7月程で収穫期を迎えます。10月~11月頃が適期で、地上部の茎葉が黄色く枯れてきたときが収穫のタイミングです。ウコンは霜が降りると根が傷んでしまうので、その前に収穫しましょう。

地上部の茎葉を鎌で刈り取ってから、株から約30cm程離れた位置にスコップを入れて、全体を掘り起こすように根を収穫しましょう。その際、根から出る黄色い色素はとても落ちにくいので、手袋などを着けて作業しましょう。

 

ウコン粉の作り方

掘り出した根は3~4日ほど陰干ししてから、付着した泥をきれいに洗い落としましょう。その後、もう一度1~2日陰干しし、表面が乾燥したら1~2mm程の厚さにスライスして、新聞紙の上に広げて完全に乾燥するまで放置しましょう。完全に乾燥したら、ミキサーなどで粉末にして1mm目のふるいにかけたものを使用しましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ウコンの花言葉

ウコンの花

 

ウコンの花言葉は「健康」「繁栄」「あなたの姿に酔いしれる」などがあります。

 

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ウコンの開花
 
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ウコンのまとめ

ウコンのスパイス

ウコンはいかがでしたか?
ウコンは黄色の染料として使用されるほか、カレー粉の原料として知られ、ウコンやターメリックという名前で流通しています。
慣れてしまえば育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ウコンを育ててみてはいかがでしょう!
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