ヤマユリの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

ヤマユリの花の拡大

こちらでは、ヤマユリの植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

ヤマユリとは

ヤマユリの花

 

植物名   ヤマユリ


学 名   Lilium auratum


和 名   山百合


別 名   下に記載


英 名   Gold banded lily


科 名   ユリ科


属 名   ユリ属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ヤマユリの特徴

ヤマユリの花柱

 

ヤマユリは草丈100cm〜150cm程になるユリ科の多年生植物です。日本では7月〜8月頃に美しい花を咲かせます。

ヤマユリは地上の茎が直立して、地下の鱗茎は径10cm程の肉質な黄白色の扁球形です。

ヤマユリの花は茎の上部に総状花序を出し、数個~20個の大きな花が横向きに開きます。花は径15cm〜20cm程の漏斗状になります。花被片は6枚あり、外側に反り返り、白色で内面には赤褐色の斑点があり、中央の脈に沿って黄色い線があります。花には強い芳香があり、花粉は赤褐色です。

ヤマユリの葉は互生する単葉で、長さ10cm~15cm程の先が尖った披針形で、葉の表面には光沢があります。葉には短い柄があります。

ヤマユリの果実は蒴果で、長さ5cm〜8cm程の円筒形で、3室に分かれています。中には種子が300個程入っていて、熟すと果実が3裂して、風によって散布されます。種子は長さ1cm程の扁平な半円形で、周囲に翼があります。

 

ヤマユリの名前

ヤマユリという名前は、山中に生えるユリという意味で付けられました。学名は「黄金色のユリ」という意味があります。また、鱗茎は食用になることから「リョウリユリ(料理百合)」とも呼ばれています。

そのほか、地方によって様々な呼び名があり、「ヨシノユリ(吉野百合、芳野百合)」「エイザンユリ(叡山百合)」「ホウライジユリ(蓬莱寺百合、鳳来寺百合)」などとも呼ばれていて、各産地に因んで名付けられています。

 

ヤマユリの利用

日本では本種ヤマユリと、「オニユリ(鬼百合)」「コオニユリ(小鬼百合)」の3種がその鱗茎(ユリ根)を食用としています。縄文時代には既に食用とされていて、微かなほろ苦さと甘みがあり、がんもどきや茶碗蒸し、味噌汁などに用いられます。

ヤマユリの鱗茎は生薬になり、中国のユリの鱗茎である「百合(びゃくごう)」の名を、本種ヤマユリに充てています。民間療法では鎮咳、強壮、口腔内や胃粘膜の保護に役立つとされています。

 
 

ユリの文化

東洋ではユリは鑑賞花としてだけでなく、食用や薬用にも使用されています。日本でのユリの観賞は、明治30年代頃からであり、幕末にフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが日本のユリの球根を持ち帰り、復活祭に用いられるイースター・リリーとして大流行すると、球根は近代日本の絹に次ぐ二番目の主要輸出品として外貨を獲得しました。

なお、持ち帰られたのは南西諸島原産の「テッポウユリ(鉄砲百合)」であり、これが現在のイースターの象徴として定着しました。そしていわば逆輸入されるかたちで明治末に鑑賞花としてユリの花が流行しました。

ユリには「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを花に例えて形容する言葉があります。

 

ヤマユリの詳細情報

園芸分類球根植物・切り花
性質多年草
開花時期7月〜8月
花色白色
栽培難易度
耐寒性普通
耐暑性普通
耐陰性普通
 
 

ヤマユリの詳しい育て方

ヤマユリの蕾

ヤマユリは日本の原産で、北陸地方を除く本州の東北地方〜近畿地方に分布しています。北海道には移入されたものが野生化しているものもあります。主に山野の草地に自生し、観賞用としても多く栽培されています。本種ヤマユリを基に改良した園芸品種は「オリエンタル・ハイブリッド」と呼ばれ、代表的な品種に「カサブランカ」などがあります。

 

ヤマユリの球根植え

球根を植える適期は芽吹く前の2月〜3月頃です。管理場所は、午前中は日向で午後は明るい日陰になる場所か、一日中明るい日陰で育てましょう。直射日光や西日が当たる場所では枯れてしまいます。用土は球根用の土を使用して植え付けましょう。

鉢植えの場合は、球根の直径で3倍程の深さのある鉢を選び、球根1個分以上深く、株間は球根3個分以上空けて植え付けましょう。地植えの場合は、定植2週間前に深さ30cm以上をよく耕しておきましょう。植え付けは、球根2個分程の深さ、株間は球根3個分以上空けて植え付けて、たっぷりと水やりをしましょう。

植え替えは、鉢植えでは1〜2年に1回、庭植えでは3~4年に1回行いましょう。植え替える際は、連作障害が出やすいため、新しい用土を使いましょう。

5月〜6月頃になり、草丈が高くなってきたら支柱を添えて倒れないようにしましょう。長さ1.5mの支柱を、球根に当たらない様に茎から10cm〜15cm程離して立てましょう。

 

ヤマユリの水やり・肥料

庭植えの場合は根付いたら降雨だけで問題ありませんが、夏の時期など乾燥が続くようであれば水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したらたっぷりと水やりをしましょう。

肥料は芽を出してから6月頃まで、緩効性化成肥料を球根や茎に当たらないように、株元に少量与えましょう。

 

ヤマユリの害虫や病気

害虫はアブラムシが発生することがあります。アブラムシは茎や芽から汁を吸って株を弱らせます。害虫を見つけたら早めに取り除き、薬剤散布で防除しましょう。

病気はウイルス病、葉枯病があります。ウイルスが原因の病気で、感染すると花や葉にモザイク模様が出てきます。発病すると治らないので、見つけたら株ごと抜き取り、焼却処分しましょう。

 

ヤマユリの花がら摘み

花後に種子を採取しない場合は、花がしおれたら、花茎から切り取りましょう。放置していると種子をつくり、種子に栄養を取られて株が弱ってしまいます。葉っぱは残して、こまめに花がらを摘み取り、球根を太らせましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ヤマユリの誕生花・花言葉

ヤマユリの開花

 

ヤマユリは「6月30日」「7月21日」「11月18日」の誕生花です。

ヤマユリの花言葉は「荘厳」「威厳」「純潔」「無垢」「甘美」「人生の楽しみ」です。

 

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ヤマユリのまとめ

自生するヤマユリ

ヤマユリはいかがでしたか?
ヤマユリは日本で見られるユリの代表種で、夏になるとユリ科の中でも最大級の花を咲かせます。花には芳香があり、食用や薬用としても用いられています。
育てるのはコツが要りますが、みなさんも是非ヤマユリを育ててみてはいかがでしょう!
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