造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ドイツトウヒとは
植物名 ドイツトウヒ
学 名 Picea abies
和 名 独逸唐檜
別 名 オウシュウトウヒ(欧州唐檜) / ドイツマツ(独逸松)
英 名 Norway Spruce
科 名 マツ科
属 名 トウヒ属
ドイツトウヒの特徴
ドイツトウヒは樹高30m〜50m、幹径1.5m〜2m程になるマツ科の常緑針葉高木です。日本では4月〜5月頃に開花します。
ドイツトウヒの樹形は円錐形になり、樹皮は暗い灰褐色で、老木に成ると剥がれます。また、樹高が10mを超えてくると枝が下に垂れ下がります。
ドイツトウヒの花は雌雄同株で、雄花は葉腋に単生し、長さ2cm~2.5cm程になります。雌球花は前年枝の先端に付き、長さ4cm~6cm程の円柱形で、花色は紫紅色になります。
ドイツトウヒの葉は螺旋状に密に互生し、長さ2cm程の針状で触るとチクチクします。葉は光沢のある暗緑色で、断面は四角形で側面に気孔帯があります。
ドイツトウヒの果実は球果で、長さ10cm〜20cm、径3cm〜4cm程の円柱形になり、10月頃に熟すと黄褐色となり、枝先から垂れ下がります。これはトウヒ属の中でも最も大きく、よく目立ちます。
ドイツトウヒの名前
ドイツトウヒという名前は、ドイツに多く生育する「トウヒ(唐檜)」という意味から名付けられています。また、葉が「マツ(松)」に似ていることから「ドイツマツ(独逸松)」という別名もあります。
ただし、実際は東ヨーロッパおよび北ヨーロッパに多く分布し、ドイツに生育するドイツトウヒの多くは人工的に植林されたものと言われています。そのため、「オウシュウトウヒ(欧州唐檜)」や「ヨーロッパトウヒ」とも呼ばれています。
ドイツトウヒの利用
ドイツトウヒは、原産地のヨーロッパでは主要な造林樹種となっており、材木は全体的に白色〜淡い黄白色で、肌目が緻密で光沢があり、やや軽軟で加工が容易なこと、乾燥による収縮も小さく狂いも少ないことから、建築材、家具材、楽器、パルプなどに使われています。
ドイツトウヒは、「モミ(樅)」や、「コロラドトウヒ(プンゲンストウヒ)」、「アカエゾマツ(赤蝦夷松)」とともにクリスマスツリーとして使われています。若木のうちはモミと区別が難しいほどそっくりで、樹形が整いやすく、安価で流通している樹木です。また、寒冷への耐性があり、防雪林や防風林に利用されることもあります。
ドイツトウヒの詳細情報
園芸分類 | 庭木 |
性質 | 常緑針葉高木 |
開花時期 | 4月〜5月 |
花色 | 紫紅色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
ドイツトウヒの詳しい育て方
ドイツトウヒはヨーロッパ北部から東部が原産で、ヨーロッパでは針葉樹林の主要樹種になります。日本ではクリスマスツリーにも用いられ、庭園樹や公園樹としても植栽されています。
長野県木曽郡木曽町や、新潟県妙高市には「ドイツトウヒの森」と呼ばれる、樹高20m以上のドイツトウヒがたくさん生育する森林があり、森林浴スポットとして楽しまれています。
ドイツトウヒの苗植え
苗植えは3月〜4月頃が適期です。日当たりが悪い場所でも育ちますが、日当たりの良い場所のほうがよく成長します。用土は赤玉土に腐葉土を混ぜて、植え穴は根鉢の2倍程の穴を掘って、植え付けたら、たっぷりと水やりをしましょう。
ドイツトウヒは根が浅く張り、風に弱いため、植え込みの当初は支柱を立てて支えてあげましょう。また、将来的には大きくなり、根付いた株は移植できないため、植え付ける場所は慎重に選びましょう。
ドイツトウヒの水やり・肥料
植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。特に夏の暑い時期は、たっぷりと水やりをしましょう。植えつけてから2年以上経つ株は降雨だけで問題ありません。
肥料は、2月頃に寒肥として油かすなどの有機質肥料を株元に埋め込みましょう。
ドイツトウヒの害虫や病気
害虫はカイガラムシ、ハマキムシ、ハダニなどが発生することがあります。葉を食害しますので、見つけたら取り除き、殺虫剤で防除しましょう。
ドイツトウヒは病気の心配は特にありません。
ドイツトウヒの剪定
ドイツトウヒは自然樹形が美しく、放任しても円錐形の樹形になります。ただし、年数が経つと大きくなり、枝を水平方向に伸ばすので庭植えの場合広いスペースが必要です。
剪定は、2月〜3月頃が適期です。大きくしたくない場合は、芯止めをして高さを抑えつつ、徒長枝や、混み合っている枝、枯れ枝などを切り取り、樹形を整えましょう。
ドイツトウヒの誕生木・花言葉
ドイツトウヒは「12月13日」の誕生木です。
ドイツトウヒの花言葉は「逆境の中の希望」です。
ドイツトウヒのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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ドイツトウヒのまとめ
ドイツトウヒは、トウヒ属の中で最も大きな果実が特徴で、円錐形の自然樹形が美しく、クリスマスツリーにも用いられる樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ドイツトウヒを育ててみてはいかがでしょう!