造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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カルミアとは
植物名 カルミア
学 名 Kalmia latifolia
和 名 亜米利加石楠花(アメリカシャクナゲ)
別 名 花笠石楠花(ハナガサシャクナゲ)
英 名 Kalmia
科 名 ツツジ科
属 名 カルミア属
カルミアの特徴
カルミアは原産地では樹高10m程になりますが、日本では1m〜3m程になるツツジ科の常緑低木または小高木です。日本では4月〜6月頃に開花します。
カルミアの樹皮は灰褐色で、樹齢を重ねると縦に筋が入ります。よく枝分かれして、若い枝には細かな毛があります。
カルミアの花は、枝先に円錐花序を出し、径1cm〜3cm程の白~ピンク色の花を20~30個付けます。花弁は8枚ありますが、先端で浅く5裂するため、正面から見ると五角形のように見えます。
カルミアの蕾は金平糖のような形をして、花には10本の雄しべと1本の雌しべがあります。雌しべの柱頭はピンク色で、雄しべの先端は花弁の斑点に埋もれるように密着していますが、花粉を媒介する昆虫が寄ってくると反転して、その背中に花粉を付着させます。
カルミアの葉は互生する単葉で、枝先では不揃いな螺旋状に付き、長さ5cm~12cm程の厚みがあり先端が尖った長楕円形となります。表面は光沢のある濃い緑色で、裏面はまばらに毛があります。
カルミアの果実は蒴果で、粘毛のある小さな球形になり、秋には褐色に熟します。熟しても花柱と萼が残り、内部には淡い褐色の種子を多数含んでおり、果皮が自然に裂けることで拡散されます。
カルミアの名前
カルミアとは、本来ツツジ科カルミア属の花木全般を表す名前ですが、一般的にはその一品種である「ラティフォリア」を示すことがあります。カルミア属には7種あり、カルミアという学名はスウェーデンの植物学者であるペールカルム氏に由来します。
カルミアは北アメリカの原産で、「シャクナゲ(石楠花)」の葉に似てることから「アメリカシャクナゲ(亜米利加石楠花)」という和名がありますが、本種はカルミア属で、シャクナゲはツツジ属なので別種の樹木です。
カルミアの花は、江戸時代に女性が使っていた絵日傘に例えられ、「花笠石楠花(ハナガサシャクナゲ)」という別名もあります。また、生け花の世界では「アメリカローレル」とも呼ばれています。
カルミアの詳細情報
園芸分類 | 庭木・切り花 |
性質 | 常緑低木または小高木 |
開花時期 | 4月〜6月 |
花色 | 白色・ピンク色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
カルミアの詳しい育て方
カルミアは北アメリカ東部の原産で、多くの園芸品種があり、花を鑑賞する園芸用の樹木として公園樹や庭園樹としてよく植栽されています。また、切り花としても利用されています。
カルミアの苗植え
苗の植え付けは3月〜4月と9月〜10月頃が適期です。多少の日陰でも成長しますが、日当たりが良い方が成長が良く、花数も多くなります。ただし、真夏の直射日光や西日には弱いため、真夏は半日陰になるような場所が好ましいです。
用土は水はけがよく、適度な保水力を兼ね備えた酸性土が適しています。鹿沼土とピートモス、腐葉土などを混ぜた物を使うか、調整されている「ブルーベリー」の土などを使い、浅植えにしたらたっぷりと水やりをしましょう。鉢植えの場合は、根鉢より一回り大きな鉢に植え付けて、2〜3年毎に一回り大きな鉢に植え替えをしましょう。
カルミアの水やり・肥料
カルミアは根が細く、地表に根が伸びているため、過湿も乾燥も苦手です。庭植えの場合は、根付いた後は降雨だけで問題ありません。ただし、夏場に極端に乾燥すると、株が弱ってしまうため、夏場は水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾燥したら水やりをしましょう。冬は控えめに与えましょう。
肥料は寒肥として2月と、お礼肥として6月、涼しくなった9月頃に、油かすを株元に施しましょう。庭植えの場合は、枝先の真下位までの範囲に根が張っているため、根に肥料が当たらないよう外周部に肥料を浅く埋め込みましょう。
カルミアの害虫や病気
害虫はアブラムシ、カイガラムシ、ハマキムシ、グンバイムシなどが発生することがあります。食害されると観賞価値が下がったり、株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
病気は褐斑病、花腐菌核病、ペスタロチア病などがあります。葉焼けを起こした部分から菌が侵入し、葉に病斑ができる褐斑病や、土の水はけ、風通し、日当たりなどが悪くて不健康になると、病気になります。環境を整え、病気の部分は取り除き、殺菌剤を散布しましょう。
カルミアの摘蕾(てきらい)
カルミアは花付きが非常に良い樹木ですが、あまり花をたくさん咲かせすぎると木が疲れて翌年の花が少なくなってしまい、1年おきにしか咲かない「隔年開花」になってしまいます。
毎年しっかりと花を咲かせるために摘蕾(てきらい)を行いましょう。花芽がたくさん付いていたら、蕾を摘み取り花の量を調整しましょう。蕾が確認できるようになる10月以降に1/3〜半分程を摘み取りましょう。
カルミアの剪定
カルミアは夏頃に翌年の花芽を作るため、夏以降に剪定すると花芽まで落としてしまいます。そのため、花が終わった直後の6月頃が剪定の適期です。
カルミアは放任しても自然に樹形が整うため、あまり剪定の必要はありません。剪定をする場合は、弱々しく細い枝や、内側に向かって伸びる枝は枝分かれしている付け根の部分から切り落としましょう。また、年月を経た古い枝は芽吹く力が衰えるので、切り落として若い枝と世代交代させましょう。
枝が密生して風通しが悪くなると病害虫の原因になるため、邪魔な枝や徒長枝、枯れ枝は間引いてあげましょう。太い枝を落とした場合は雑菌が入らないように癒合剤を塗りましょう。ただし、ばっさりと枝を整理するなど、強剪定した翌年は花が咲きません。
カルミアの誕生木・誕生花・花言葉
カルミアは「5月8日」の誕生木です。
カルミアは「2月11日」「2月20日」「4月30日」「8月7日」の誕生花です。
カルミアの花言葉は「野心」「大志を抱く」「優美な女性」「大きな希望」「にぎやかな家庭」などがあります。
カルミアのアーティフィシャルグリーン
アーティフィシャルグリーンとは、天然素材を使って、本物そっくりに作られた植木や花、観葉植物のことです。
本物の樹木とは違い、アーティフィシャルグリーンだけの魅力やメリットがたくさんあります。
こんなメリットが!
- 樹木の種類や大きさ、樹形、鉢などお好みのオーダーメイドが可能です。
- 落ち葉や害虫、病気の心配もなく、お部屋を汚しません。
- 日光に当てなくても枯れないので、置き場所を選びません。
- 天然の樹木と違い、枯れる心配がなく水やりや剪定など、お手入れの手間がありません。
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カルミアのまとめ
カルミアは金平糖のような特徴的な蕾から花が咲く姿が可愛く、木全体が花でいっぱいになるなど、園芸品種も多く、観賞用に植栽される人気の樹木です。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非カルミアを育ててみてはいかがでしょう!