造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
この記事の監修者
セリとは
植物名 セリ
学 名 Oenanthe javanica
和 名 芹
別 名 下に記載
英 名 Japanese parsley/ Water dropwort
科 名 セリ科
属 名 セリ属
セリの特徴
セリは草丈20cm〜80cm程になるセリ科の多年草です。日本では7月〜8月頃に開花します。
セリは太くて白い地下茎を伸ばし、節から新芽を出して広がります。茎は多少枝分かれして、全草に独特の芳香があります。
セリは茎先に径4cm~8cm程の複散形花序を出し、小さな花を多数付けます。花は径3mm程で白色の5弁花です。
セリの葉は互生する1~2回3出複葉で、小葉は長さ2cm〜3cm程の卵形で、縁には鋸歯(きょし)があります。葉には長い葉柄があり、茎の上部になるほど短くなり、基部は鞘となり茎を抱きます。また、冬になると赤っぽく色づくこともあります。
セリの果実は楕円形の分果で、長い花柱を持っています。種子は秋に熟して、果実が2つに分かれて落下します。
セリの名前
セリという名前は、若葉の成長が競り合うように背丈を伸ばして群生して見えることから、「競り(せり)」と呼ばれるようになったと言われています。
セリは食用とする際の観点から、田の畦道などに自生する野生のセリを「山ゼリ」や「野ゼリ」、水田で栽培されているものを「田ゼリ」、畑で栽培されるものを「畑ゼリ」と称しています。ほかにも、「サケバゼリ」「オカゼリ」「ミズゼリ」と呼ばれる場合もあります。
セリの食用
セリは数少ない日本原産の野菜の一つで、若い芽と根は古くから季節野菜として珍重され、緑黄色野菜でもあり、香草としても知られ、春の七草として七草粥にも使われています。
セリは水分が約93%含まれ、栄養素はβ-カロテン、ビタミンB1・B2・C、カルシウム、鉄分、クエルセチンなどの栄養素を主に含み、特にカロテン、ビタミンK、葉酸などのビタミン類、カリウム、鉄、銅などのミネラル、食物繊維が豊富で、これらをバランスよく含んでいます。
セリは若いときの茎と葉を収穫して、古くから薬効のある冬の野菜として親しまれ、独特の香りを持ち、日本ではおひたしや酢味噌和え、七草粥、酢の物、卵とじ、煮びたし、油炒めとしたり、生のままサラダに加えたり、天ぷら、すき焼き、鍋物などにするほか、根はきんぴらに、花は天ぷらにできます。加工品としては、塩漬け、味味噌、醤油漬けなどがあります。
また、宮城県仙台市周辺では、セリを主役とした鍋料理「せり鍋」があり、葉から根まで使われます。ほかにも、秋田県の代表的郷土料理の一つである「きりたんぽ鍋」の具材としても欠かせません。
一般に流通している栽培品は灰汁が少ないのですが、野生のセリはアクが強いため、アク抜きが必要です。また、野生のセリを食べる場合は肝蛭の感染に注意が必要です。対策としては良く洗うことが挙げられます。
春の七草
1月7日の「人日の節句」の朝に、7種の野菜が入った「七草粥」を食べると邪気を払い万病を除くと古くから言い伝えられてきた風習があり、お正月で疲れた胃を休めて、不足しがちな栄養素を補うとも言われています。この七草粥に用いる以下の7種の野菜(草)を「春の七草」と呼びます。
セリとドクゼリ
セリの春先の若葉の形状は、毒草として知られる「ドクセリ(毒芹)」とよく似ている上に、同じような場所に生えるため、本種と間違ってドクゼリの若葉を摘み、中毒する者が後を絶ちません。
見分け方としては、セリには葉や茎に特有の香気があり、白いひげ根がありますが、ドクゼリには芳香がなく、タケノコ状の地下茎があるため、注意すれば比較的容易に区別できます。
セリの薬用
日本では生薬名は特に持ちませんが、中国薬物名としては乾燥した全草を「水芹(すいきん)」と称しています。薬効としては、乾燥させた茎葉を布袋に入れて風呂に入れ浴湯料とすると、血液循環を良くして、リウマチ、神経痛、血圧降下の効果に良いとされています。 また、セリ特有の香り成分は、口内の味覚神経を刺激して、胃液の分泌を促すとともに、体温を上げて発汗作用を促す効果があり、風邪による冷えなどに有効とされています。
セリの文化
セリは東洋では2000年程前から食用に利用されていますが、西洋では食べる習慣はありません。日本では古くから食用とされ、平安時代には宮中行事にも用いられていました。セリは春の七草の一つに数えられ、「万葉集」にもセリ摘みの和歌がいくつか知られています。「古事記」や「神代記」に記載があるほか、平安時代の「延喜式」には栽培していたとの記載が見られます。
セリの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 7月〜8月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 普通 |
セリの詳しい育て方
セリは日本の原産で、北半球一体とオーストラリア大陸に渡って広く分布しています。国内では北海道、本州、四国、九州に分布しています。市街地周辺から農耕地、山地まで自生し、主に湿地や畦道、水田、休耕田など土壌水分の多い場所や、農地の水路など細い流れがある水辺に群生する湿地性植物です。
セリは野菜として宮城県、茨城県、大分県などで栽培が盛んに行われ、栽培されたものが一年を通して流通していますが、露地物や天然物は2月〜4月頃が旬の時期になります。
セリの植え付け
植え付けは3月〜4月と9月〜10月頃が適期です。日当たりの良い場所から半日陰でも育ちます。用土は市販の花の培養土を使い、苗よりも1回り大きな鉢に植え付けましょう。大きな容器に水を溜めて、株元が水に浸かる高さまで鉢を沈めて管理しましょう。
セリの水やり・肥料
通常の水やりは不要ですが、常に植木鉢が腰水の状態を保つように管理しましょう。鉢が全て水に浸かってしまわないように注意しましょう。
肥料は与えなくても育ちますが、葉っぱが色褪せたり生育が良くない場合は栄養不足かもしれませんので、薄めた液体肥料を与えましょう。
セリの害虫や病気
害虫はアブラムシ、キアゲハの幼虫、ナメクジが発生することがあります。食害されると観賞価値が下がったり、株が弱ってしまうため、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。
セリは病気の心配は特にありません。
セリの収穫
セリは草丈が20cm~30cm程になったら食用として収穫できます。摘み取り収穫と株採り収穫ができ、摘み取り収穫はランナーの根元付近を手で摘み取るか、ハサミで切り取って収穫しましょう。または、草丈が20cmを超えたら株ごと抜き取って収穫しましょう。
セリの誕生花・花言葉
セリは「1月7日」「1月11日」の誕生花です。
セリの花言葉は「清廉で高潔」「貧しくても高潔」です。
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セリのまとめ
セリは数少ない日本原産の野菜の一つで、香草や緑黄色野菜、春の七草としても知られています。野生のものは湿地や畦道に自生して、夏には白い花を咲かせます。
育てるのはそんなに難しくないですが、みなさんも是非セリを育ててみてはいかがでしょう!