造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
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ワサビとは
植物名 ワサビ
学 名 Eutrema japonicum
和 名 山葵
英 名 Wasabi / Japanese horseradish
科 名 アブラナ科
属 名 ワサビ属
ワサビの特徴
ワサビは草丈30cm程になるアブラナ科の多年草です。日本の特産で、山間の渓流の砂礫地や湿地に生えています。
ワサビの根茎は、多くの節がある太い円錐形で、各節には葉痕があり、ゴツゴツをしています。根茎や葉には特有の辛味があります。
ワサビの花は、3月〜5月頃に開花します。茎の先端に短い総状花序を伸ばし、花は白色の4花弁で、花弁の長さは3mm〜5mm程の長倒卵形です。
ワサビの葉は根元から束生して柄が長く、長さ10cm〜20cm程で光沢があり、葉身は径5cm〜15cm程の円形に近いハート形で、波状の凸凹と不揃いの鋸歯(きょし)があります。
ワサビの果実は長角果で、長さ1.5cm〜2cm程の数珠状にくびれます。種子は長さ3.5mm程の長楕円形になります。
ワサビの利用
ワサビには、食欲増進や食物防腐、制菌作用があり、ワサビの葉はわさび漬けなどに、太い根茎は、主にすりおろして香辛料などに用いられます。
・静岡県静岡市の「有東木ワサビ」
・長野県安曇野市の「安曇野ワサビ」
・島根県益田市の「匹見ワサビ」
こちらが、日本三大ワサビと呼ばれています。
ワサビの根茎
ワサビの根茎をすりおろしたものは、日本料理の薬味として寿司、刺身、茶漬け、蕎麦、鰻の白焼きなどに添えられます。洋食ではローストビーフやスパゲッティに使われることもあります。また西洋料理ではソースなどに使用され、牛肉とも相性が良いことから焼肉に添えられることもあります。
すりおろす際に、酸素と触れることで辛味がよく出るため、細胞を細かく摩砕できるサメの皮で作られたおろし器が良いと言われています。
ワサビに似た植物に「セイヨウワサビ(ホースラディッシュ)」がありますが、加工品の粉ワサビやチューブ入りの練りワサビなどでは、原材料にセイヨウワサビのみを使用したり、両方を使用しているため、日本原産のワサビを多く使ったものが「本わさび」と呼ばれ、高級品として区別していることがあります。
ワサビの葉、茎、花
ワサビの葉や茎や花を軽く湯通しして、密閉した容器にしばらく保管したものを、ワサビのお浸しとして食べられています。葉や茎を醤油と一緒に瓶に詰めた醤油漬けもあります。葉の部分は、わさび漬けなどに使われています。ワサビの花や葉は天麩羅にすることもあります。
ワサビの葉や茎は、その成分やエキスを抽出して、すり下ろしたものを練りわさびやスナック菓子、アイスクリーム、米菓などの風味付けの原料として用いられます。
食用以外でも、殺菌作用があり、植物の老化を早めるエチレンガスの発生を抑制する作用を利用して、食品や野菜などの抗菌・消臭・鮮度保持剤として冷蔵庫などで使用する製品もあります。
ワサビの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
性質 | 多年草 |
開花時期 | 3月〜5月 |
花色 | 白色 |
栽培難易度 | |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | やや弱い |
耐陰性 | 普通 |
ワサビの詳しい育て方
ワサビは日本原産で、国内では北海道、本州、四国、九州に分布します。野生のものは珍しく、清流や涼しい畑で栽培されています。
産地としては、静岡県や長野県が有名です。一年を通して流通していますが、旬は11月〜2月頃になります。
水ワサビと畑ワサビ
ワサビの栽培方法を大きく別けると、水栽培で渓流や湧水で育てられる通称「水ワサビ(谷ワサビ、沢ワサビ)」と、畑栽培で育てられる通称「畑ワサビ(陸ワサビ)」があります。水ワサビと畑ワサビは同じ品種で、育て方の違いで呼び方が変わります。
水栽培は、山間部の北斜面で、水が濁らない湧水地が適していると言われています。また、畑栽培は夏は日陰で、冬は日が当たる場所が良いとされています。
畑ワサビは、普通の野菜を育てる感覚で栽培ができます。その場合は、根の部分はあまり大きくならず、茎や葉を楽しむ栽培となります。
ワサビの種まき
種まきの適期は3月頃です。発芽適温は15℃が最適で、20℃になると発芽しなくなります。
・ワサビの種は冷気に当てなければ発芽しない性質を持っています。
・種まきの前日に、種を水に浸し、冷蔵庫で1日置くと白い芽が出てきます。
白い芽が出たら芽を植えにして、土の上に3〜4粒をまき、水をあげましょう。土は花と野菜の培養土や、畑土に川砂を混ぜたものを使用しましょう。
芽がしっかりと伸びるまで、土の表面の乾燥を防ぐために新聞紙などで保護し、芽が伸びてきたら新聞紙を外して光に当ててあげましょう。芽が5cm〜10cm程になったら苗植えをしましょう。
水ワサビの苗植え
苗植えの適期は9月〜10月頃です。生育適温は8℃〜20℃で、直射日光が当たらず、薄日が当たる場所が好みです。
栓がある水を溜められるプランターを用意しましょう。用土は、川砂を敷き詰め、根茎がすっぽりと隠れるくらいまで土に埋めたら、土の表面から2cm程の高さまで水を溜めましょう。
水ワサビの水やり・肥料
水ワサビは、本来は流水で育てます。プランターに水を流し続けるのが理想ですが、家庭では難しいため、水が濁らないように、こまめに水の入れ替えをしましょう。
この時、ワサビは水量の増減の激しい環境では育たないので、水の入れ替え時や、夏の蒸発により水を継ぎ足す時など、常に水位を一定に保つ必要があります。水位は土の表面から2cm程の高さに保ちましょう。
水ワサビの肥料は、春と秋頃に窒素分の少ない肥料を目の細かいネットなどに入れて、ワサビに直接当たらないように、水に漬けましょう。
畑ワサビの苗植え
苗植えの適期は9月〜10月頃です。生育適温は8℃〜20℃で、直射日光が当たらず、薄日が当たる場所が好みです。
用土は花と野菜の培養土か、畑土に川砂を混ぜたものを使い、株同士は30cm程の間隔を空け、根茎が埋まるくらいの穴を掘り、側面にもたれかかるようにして苗を置き、埋め戻しましょう。
畑ワサビの水やり・肥料
畑ワサビの水やりは、土が乾燥したら、水をしっかりとあげましょう。乾燥に弱く、水が切れやすいので、水やりはこまめにあげる必要があります。水が切れてくると葉っぱがしなびて、株が弱ってしまいます。
畑ワサビの肥料は、春と秋頃に窒素分の少ない肥料を、ワサビに直接当たらないように、土に混ぜ込みましょう。
ワサビの害虫や病気
害虫はアオムシが発生します。アオムシとは、モンシロチョウの幼虫で、春になるとワサビの葉を食べてしまいます。見つけたら早めに取り除きましょう。
病気は軟腐病があります。梅雨の終わりから夏の高温期に、地際や根の部分が腐敗する軟腐病にかかることがあります。この病気にかかると治療することはできませんので、早めに土から引き抜いて株ごと処分しましょう。
ワサビの収穫
ワサビは、植え付けから2年程で収穫できます。一年を通して収穫を楽しめますが、花を咲かせると味や香りが落ちてしまいます。また、種子を作ろうとして株の栄養が花に行ってしまい、株が弱ってしまうので、種を収穫するとき以外は、花は早めに摘み取りましょう。
根茎の直径が3cm~5cm程になったら、土からそっと掘り起こし、周りに付いたひげ根を手でむしっていきます。細かい根は包丁で取り除き、すりおろして味わえます。葉や茎、花にも辛みや香味があり、しょうゆ漬けやお浸し・天麩羅などで楽しめます。
ワサビの誕生花・花言葉
ワサビは「5月26日」の誕生花です。
ワサビの花言葉は「実用」「目覚め」「嬉し涙」などがあります。
「実用」という花言葉は、ワサビは根、茎、花まで食べることができ、実用性の富んでいることが由来と言われています。
「目覚め」という花言葉は、ワサビの特徴的なツンとした鼻に抜ける風味や刺激が、目が覚めるような感覚が由来と言われています。
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ワサビのまとめ
ワサビはお寿司屋お刺身の旨味を引き立たせ、葉や花もお浸しや天麩羅などで食べることができます。自分で育てたものは、より美味しく味わえるかもしれません。
管理にコツが必要ですが、みなさんも是非ワサビを育ててみてはいかがでしょう!