ウイキョウ(フェンネル)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説

ウイキョウの花の拡大

こちらでは、ウイキョウ(フェンネル)の植物図鑑と育て方を私の経験を元にわかりやすく解説します。
造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方やお手入れ方法、収穫方法、植物の写真や誕生花、花言葉までさまざまな情報をご紹介します。
MIDORI
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この記事の監修者

フラワーショップ店長【ミドリ】プロフィール

ウイキョウとは

ウイキョウの球根

 

植物名   ウイキョウ


学 名   Foeniculum vulgare


和 名   茴香


別 名   フェンネル


英 名   Fennel


科 名   セリ科


属 名   ウイキョウ属


 

グリーンライフイノベーションの画像2

 

ウイキョウの特徴

ウイキョウの苗

 

ウイキョウは草丈1m〜2m程になるセリ科の多年草です。世界各地で栽培、利用されているハーブの一種です。

ウイキョウは6月〜8月頃に花を咲かせます。茎先に複散形花序を伸ばし、多数の小花を傘状に付けます。花は黄色の5花弁で、小花序は数十個あります。

ウイキョウの葉は互生し、長さ30cm程の数回羽状複葉で、裂片は糸のように細かく裂けます。葉柄の基部は茎を抱き、上部の葉の柄は鞘状になって若い花序を中に抱いています。

ウイキョウの果実は、長さ5mm~10mm程の円柱形の分果で、灰褐色に熟し、独特な香りがあります。「フェンネルシード」と言われる種子のようなものは、この果実です。

 

ウイキョウの利用

ウイキョウの種

主に種子をスパイスとして利用しますが、ヨーロッパでは生の茎葉も料理に利用します。若葉や果実は、甘い香りと苦みが特徴で、消化促進や消臭効果があり、香辛料や香料、食用、薬用、化粧品用などに古くから用いられてきました。また、粉砕した果実を水蒸気蒸留して精油を搾油することもできます。

ウイキョウの果実

ウイキョウの果実(フェンネルシード)は、爽やかな風味を持つ甘い芳香があり、そのまま粒状のものは「ホールシード」とも呼ばれ、粉砕して粉末にしたものは「ファンネルシードパウダー」と呼ばれています。

果実はスープやシチュー、カレー、肉料理などの香辛料として使用し、特に魚料理との相性がよく、魚の臭い消しや脂っぽさを感じさせない効果から、「魚のハーブ」とも呼ばれています。

甘い香りはお菓子とも相性が良く、ケーキやペストリー菓子のほか、パン、アップルパイ、ビスケット、キャンディーなどにも使用され、お酒の香り付けにも用いられています。

 

ウイキョウの葉・茎

生の葉は、スープやサラダ、刻んでソースに入れたり、魚料理にもよく使われ、そのまま飾りつけに使われることもあります。若葉はオリーブオイルやビネガーに漬け込んで、調味料として使われています。

鱗茎は、「フィノッキオ」とも呼ばれ、パリッとした食感があり、主に野菜として、生のままサラダとして食べたり、煮物、炒め物、スープなどにも用いられます。

 

ウイキョウの薬用

ウイキョウの果実は、生薬としても使用されています。太田胃散や、口中清涼剤の仁丹などにも使われていて、年間100トンが製薬原料として消費されています。

民間療法では、紅茶にウイキョウを数粒入れて食間に飲んだり、そのまま噛んで飲み込むことで、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胃もたれ、消化不良、食欲増進、痰切、膨満感などに効果があると言われています。

 
 

ウイキョウの名前

ウイキョウは、中国から伝わった際に中国名の「茴香(ホエイシャン)」をウイキョウと読んで付けられたと言われています。また、英語名での「フェンネル」という名前でも流通しています。

ウイキョウの果実には甘い香りがあり、この香りの主成分はアネトールで、同じ成分を持つ同科の植物「アニス」と似た香りがあります。アニスは別名「西洋茴香(セイヨウウイキョウ)」とも呼ばれています。

また、同じアネトールを含み、ウイキョウと似ている香りを持つ「トウシキミ(唐樒)」という植物があります。こちらは別名「大茴香(ダイウイキョウ)」といいますが、トウシキミはシキミ科の植物で、植物学上の類縁関係にはありません。

 

ウイキョウの詳細情報

園芸分類ハーブ
性質多年草
開花時期6月〜8月
花色黄色
栽培難易度
耐寒性強い
耐暑性強い
耐陰性普通
 
 

ウイキョウの詳しい育て方

ウイキョウの葉

ウイキョウは地中海沿岸地方原産で、古代エジプトや古代ローマでも栽培されていた記録がある歴史上もっとも古い作物の一つと言われています。また、日本には平安時代に渡来し、現在も栽培、利用されています。

 

ウイキョウの種まき

種まきの適期は3月〜5月と9月〜10月頃です。用土は市販のハーブ用の培養土を使用し、株同士の間隔を50cm程空けて、指で穴を空け、5粒ずつ種をまき、たっぷり水やりをしましょう。

鉢は日向に置き、土が乾燥したら水やりをしましょう。発芽温度は20℃前後、発芽日数は5日〜10日程です。発芽した本葉が4〜5枚出てきたら1株になるように間引きましょう。

 

ウイキョウの苗植え

苗植えの適期は3月〜5月と9月〜10月頃です。ウイキョウは移植が難しいので、はじめから種まきで育てるか、苗植えをする場合は、土を落とさないように抜き取り、根を傷付けないようにして、植え付けましょう。

鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢で深さがあるものを使い、地植えの場合は、定植2週間前に苦土石灰を混ぜて耕し、1週間前に堆肥と元肥を施して再度耕しましょう。株の間隔を50cm程空けて、植え付けたらたっぷり水やりをしましょう。

 

ウイキョウの水やり・肥料

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。冬に寒さで地上部分が枯れても、春には芽が出ますので、水やりを続けましょう。地植えの場合は、降雨で問題ありません。

鉢植えの場合は、生育が良くなる3月と9月頃に、1回ずつ緩効性化成肥料を株元に施しましょう。地植えの場合は、特に肥料は必要ありません。

 

ウイキョウの害虫や病気

害虫はカメムシなどが発生することがあります。食害されると株が弱り味が落ちてしまうので、見つけたら取り除き、薬剤散布で防除しましょう。

ウイキョウは病気の心配は特にありません。

 

ウイキョウの収穫

春に植えた株は7月以降が収穫の適期です。柔らかい葉を適時収穫していきましょう。株が茂ると蒸れて病気や害虫の被害にあいますので、適時収穫することで予防にもなります。

種の収穫は、花が終わり、実が色付いた頃が収穫期です。株元部分から茎を切り取り、風通しの良い日陰で逆さに吊るして乾燥させ、収穫しましょう。

 

グリーンライフイノベーションの画像1

 

ウイキョウの誕生花・花言葉

ウイキョウの花

 

ウイキョウは「4月1日」「6月23日」「10月9日」「10月25日」の誕生花です。

ウイキョウの花言葉は「称賛に値する」「力量」「よい香り」「精神の強さ」「背伸びした恋」「強い意志」などがあります。

ウイキョウは、株全体から甘くスパイシーな香りを漂わせ、その様子から「よい香り」という花言葉が付けられました。「背伸びした恋」という花言葉は、葉っぱの間から背の高い茎を伸ばし、花を咲かせる姿に由来します。

ウイキョウは、ハーブとしても利用することができ、胃腸によく消臭効果もあり、効果効能が多いことから「称賛に値する」という花言葉が付けられたと言われています。

 
 

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ウイキョウのまとめ

ウイキョウのハーブティー

ウイキョウはいかがでしたか?
ウイキョウは古くから食用として利用されているハーブの一つです。株元から葉、種まで甘く爽やかな香りは幅広く利用でき人気があります。
育てるのはそんなに難しくないので、みなさんも是非ウイキョウを育ててみてはいかがでしょう!
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