例えば「ハーブと野菜類を組み合わせて植える」など、ある特定の植物を一緒に植えることで、良い効果を生み出す「コンパニオンプランツ」について解説します。
こちらでは、造園業者とフラワーショップ店長が監修した、植物の特徴から詳しい育て方や収穫方法など、さまざまな情報をご紹介しております。
この記事の監修者
コンパニオンプランツとは
コンパニオンプランツとは、特定の植物一緒に植えることで、病害虫を防いだり、成長を促進したり、風味や芳香を良くしたり、収穫量を増やしたりといったさまざまな良い効果を生み出すと言われています。
これを「共栄作物」や「共存作物」といい、作物を一緒に育てられるだけでなく、病害虫の被害を最小限に抑え、農薬や化学肥料の使用量を減らすなど、いろいろなメリットがあります。
コンパニオンプランツの一部は科学的には解明されていないものもありますが、わたしたちの経験や農家さんが実際に行っている手法など、ご紹介いたします。
コンパニオンプランツの効果
コンパニオンプランツの効果・メリットには次のようなものがあります。
害虫による被害の予防
害虫による被害を抑える効果が期待できます。それは、害虫が自分の好みの植物を探すときは、その植物が発する匂いに誘われて集まってきます。
そこで、異なる種類を一緒に植えることで、害虫は匂いがわからなくなり、目当ての植物を探すのが困難になります。
また、強い匂いを持つ植物や、特定の植物に集まる害虫が嫌いな匂いを一緒に植えることで、その匂いを嫌う害虫を寄せ付けない環境を作り、害虫被害を抑制することができます。
病気による被害の予防
病気による被害を抑える効果が期待できます。例えば、ネギ科の野菜は、根に共生する微生物が抗生物質を出して、病原菌を減らしたり、防いだりする働きがあります。
また「マリーゴールド」の根には、線虫に対する殺菌効果があり、植物に対する病気の抑制にも効果があるため、緑肥として田畑にすきこみ、土と一緒に耕して肥料にできます。
他にも、さまざまな植物が共生することで防げる病原菌もあります。
成長を促進する効果
植物の成長を促進する効果が期待できます。そのメカニズムが科学的に解明されていないものもありますが、異なる種類の植物を近くに植えることで、普段より草丈が伸びたり、収穫量が増えたりと、生育が良くなることがあります。
土壌の生物相が多様になり、肥沃になることで、生育が促進されたり、植物の根や茎葉から分泌される物質が他の植物の生育に役立っていると考えられています。
相互作用を促進する効果
植物の相互作用を促進する効果が期待できます。例えば、マリーゴールドやカモミールなどは、ハチやアブが集まる習性があり、受粉を助けてくれるため、トマトやスイカ、ズッキーニなど、結実に受粉が必要な作物の栽培に役立ちます。
養分を供給する効果
植物の養分を供給する効果が期待できます。肥料を多く必要とする植物とあまり必要としない植物を一緒に植えることで、肥料をあまり必要としない植物の「過剰な栄養分」を肥料をたくさん必要とする植物が吸収することで、双方の生育が良くなることがあります。
また、マメ科の野菜は根に根粒菌が共生していてい、空気中の窒素を植物が利用できるように変換し、供給してくれるので、土壌が豊かになり一緒に植えた野菜などが良く育ちます。
空間を有効活用できる
空間を有効活用することにより、収穫量を増やしたり、栽培できる種類を増やすことが出来ます。例えば、日照を多く必要とする植物の陰に、日陰でもよく育つ植物を植えることでお互いの生育を助け合う事ができます。
また、野菜が大きくなる前に別の野菜を栽培するなど、育成速度の違う植物を植えることで、年間の収穫量や栽培できる種類を増やすことができます。
コンパニオンプランツの植え方
コンパニオンプランツの植え方には、植物の相性から、根の深さ、日照条件、肥料吸収の仕方などによってさまざまですが、植え方は「混作」や「間作」が基本となります。
混作とは
混作は、特定のスペースに2つ以上の植物を同時に植える手法です。この過程で、作物の構成要素はそのスペースの中で混ざり合って、一緒に成長します。その結果として、全体の作物の収穫量を増やす効果があります。
間作とは
間作は、特定のスペースに別々の作物を1列づつ種を蒔いたり、育てる手法です。この過程で、異なる農作物が組み合わされることによって、必要な栄養素はお互いに異なりますが、最適に利用できるという効果があります。
ハーブ類とコンパニオンプランツ
コンパニオンプランツの組み合わせにはさまざまなものがあります。ハーブには、その植物が発する匂いや分泌物によって他の作物の生育を助ける効果があります。その中で一般的に相性の良い組み合わせをご紹介します。
マリーゴールドの相性
マリーゴールドの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- 野菜全般
- (※シソ科とは相性が良くありません。)
マリーゴールドはハチやアブを集め、受粉を助けたり、マリーゴールドの根には線虫に対する殺菌効果があります。花の独特な香りには、アブラムシやコナジラミといった害虫を遠ざける効果があります。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
カモミールの相性
カモミールの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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カモミールは、カマキリやテントウムシを住まわせ、モンシロチョウやアブラムシを寄せ付けないようにしてくれます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
セージの相性
セージの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- キャベツ
- ニンジン
- ローズマリー
- (※キュウリとは相性が良くありません。)
セージは、アブラムシ、蝶、ハエ、アオムシなどが嫌う香りを出しますので、それらの害虫を寄せ付けないようにしてくれます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
ペパーミントの相性
ペパーミントの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- トマト
- キャベツ
- アブラナ科の植物
ペパーミントは、アブラムシ、モンシロチョウ、毛虫、アリ、蚊、ハエ、ノミなどが嫌う香りを出しますので、それらの害虫を寄せ付けないようにしてくれます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
※ただし、ペパーミントは繁殖力が旺盛で、成長すると近くの植物が駆逐されてしまうので、注意が必要です。
キンレンカ(ナスタチウム)の相性
キンレンカ(ナスタチウム)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- トマト
- キャベツ
- 大根
- カブ
キンレンカ(ナスタチウム)は、アブラムシ、アリ、コナジラミなどが嫌う香りを出しますので、それらの害虫を寄せ付けないようにしてくれます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
バジルの相性
バジルの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- トマト
- ミニトマト
- バラ科の果樹
バジルは、アブラムシ、コナジラミ、ハエ、蚊などが嫌う香りを出しますので、それらの害虫を寄せ付けないようにしてくれます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
また、バジルは水をたくさん吸収します。トマトは水を少なめに育てると甘くなる性質があるため、バジルに余分な水分を吸収させてトマトを甘くする効果があります。
ローズマリーの相性
ローズマリーの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- 豆類
- キャベツ
- ニンジン
- (※キュウリとは相性が良くありません。)
ローズマリーは、ミツバチを呼び受粉を助けます。また、アオムシ、ヨトウガ、モンシロチョウなどが嫌う香りを出しますので、それらの害虫を寄せ付けないようにしてくれます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
タイムの相性
タイムの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- キャベツ
タイムは、アオムシ、ハエなどが嫌う香りを出しますので、それらの害虫を寄せ付けないようにしてくれます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
イタリアンパセリの相性
イタリアンパセリの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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イタリアンパセリは、アブラムシ、蝶、コガネムシなどが嫌う香りを出しますので、それらの害虫を寄せ付けないようにしてくれます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
チャイブの相性
チャイブの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- バラ
- トマト
- ニンジン
- キュウリ
チャイブは、バラの近くに植えると黒点病を防止してくれます。また、ニンジンやトマトに虫が付くのを防いでくれたり、キュウリのうどんこ病を防いでくれる効果があります。また、アブラムシ、カイガラムシ、腐敗病などの予防にも効果があります。
野菜のコンパニオンプランツ
コンパニオンプランツの組み合わせにはさまざまなものがあります。異なる野菜を一緒に植えることで、その分泌物や性質によって他の作物の生育を助ける効果があります。その中で一般的に相性の良い組み合わせをご紹介します。
キュウリの相性
キュウリ(胡瓜)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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キュウリと一緒に育てることで、青枯病、立枯病、つる割病などの病原菌を抑え、被害を防ぐことができます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
トマトの相性
トマトの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- ニンニク
- ネギ
- ニラ
- 落花生
トマトと一緒に育てることで、青枯病、立枯病、萎凋病などの病原菌を抑え、被害を防ぐことができます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
ナスの相性
ナス(茄子)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- ニンニク
- ネギ
- ニラ
- 落花生
- パセリ
ナスと一緒に育てることで、青枯病、立枯病などの病原菌を抑え、被害を防ぐことができます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
ニンジンの相性
ニンジンの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- 枝豆
- 大根
- カブ
- ラディッシュ
ニンジンと一緒に育てることで、モンシロチョウ、キアゲハ、カメムシなどが嫌う香りを出しますので、それらの害虫を寄せ付けないようにしてくれます。また、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
イチゴの相性
イチゴ(苺)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- ニンニク
イチゴと一緒に育てることで、ニンニクの香り成分「アリシン」には強い抗菌力があり、アブラムシなどが嫌う香りをだし、害虫を寄せ付けないようにしてくれます。また、病原菌を減らす働きや、生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
ショウガの相性
ショウガ(生姜)の植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- 里芋
ショウガと里芋はどちらも高温多湿が好みで、里芋の根元にショウガを植えると大きな葉が日よけになり、直射日光や乾燥を抑えてくれます。このような条件下で育てたショウガは、大きく、香りも強くなり美味しくなります。また、害虫の付きにくいショウガは、里芋を病気や害虫から守ってくれる効果もあります。
トウモロコシの相性
トウモロコシの植物図鑑と育て方をわかりやすく解説
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相性の良い作物
- 枝豆
- インゲン
トウモロコシの天敵であるアワノメイガが寄り付かなくなります。枝豆の天敵であるコガネムシも減少します。また、マメ科の特徴である根粒菌により空気中の窒素を植物が利用できるように変換し、供給してくれるため、相性の良い野菜の生育を促進させ、風味を良くする効果があります。
バンカープランツとは
コンパニオンプランツと似たような効果をもたらす方法として「バンカープランツ」というものがあります。
コンパニオンプランツが、生育促進や収穫量の増加、味の向上などさまざまな効果・目的を持っているのに対して、バンカープランツは、害虫防除に特化した目的の手法です。
バンカープランツとは、特定の害虫を予防するために、その害虫の天敵になる昆虫を増やす植物を植えることで、特定の農作物を守る手法です。そのため「おとり作物」とも呼ばれています。
また、基本的にバンカープランツとして植えた植物の収穫は期待できません。
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コンパニオンプランツのまとめ
コンパニオンプランツを上手く利用することで植物を病害虫から守り、生育の手間を削減し、味の向上が見込めて、農薬の使用量も減らすことができるかもしれません。
皆さんも是非、家庭菜園に相乗効果をもたらすコンパニオンプランツでいろいろな植物の生育にチャレンジしてみてはいかがでしょう!